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【学生インタビュー♯1】学生が大学の運営に携わるのを当たり前に

世の中理解塾の加賀谷です。様々なバックグラウンドを持つ方を知ることで"世の中"を知り、自分にとってのキャリアを考える機会を提供するための活動の一環として、「中央大学 学内市民会議」という学生団体を主導している法学部2年の冨永徹平(とみながてっぺい)さんにインタビューを行いました。団体を牽引して活動を行っている原動力や学生としてのキャリア観などを深掘りしていきます。


学生と大学を繋げる"学内市民会議"

−それでは、冨永さんが今行っている活動について教えてください。

"学内市民会議"は、学生から構成される市民会議を通じて「大学運営に学生が関わることを当たり前にする」ことを目的に活動しています。
もちろん大学の中には学生のために働いてくれている方もたくさんいると思うんですが、学生からしか見えない解決策を届けたいんです。

【用語解説】
市民会議〜様々な層の市民が主導となって課題について学習と議論を行い、その結果が行政の意思決定などに組み込まれる取り組みを指す。諸外国では活発に行われており、欧州の気候変動市民会議が有名。

「大学のWi-Fiが使えない」「学食の列が長い」といった不満を感じても、今のままでは現状を改善することができません。
状況を変えて良い教育を受けるためにはその声を届けないと、自分達の学生としての権利が活かせていないように感じるんです。

−なるほど。現在はその目標に向けて、どのような活動を行っているのでしょうか?

今は市民会議で効率的に議論を進めるための方針決めや運営委員の募集、SNSでの周知を行っています。

最近ではペデストリアンデッキの下に立て看板も設置しましたので、見てくれた方も多いのではないでしょうか。

学内市民会議を興したきっかけと将来像

−日々の中で色々な不満を感じる学生が多い中で、冨永さんのように行動を起こすのは難しいことのはずです。冨永さんが学内市民会議を始めるきっかけなどはあったのでしょうか?

自分は高校の時から問題を見つけて解決方法を提案する場面が多かったんです。
建設的な意見にしようとしても先生を怒らせてしまうことも多かったんですが、大学に行っても同じような視点で物事を見ていました。

そのような感じで様々な面の大学の現状を目にした時に問題意識ができてきて、それが形になったのが学内市民会議ですね。

−学生が大学に意見を届けるための手段として、市民会議を選んだのには何か理由があったのですか?

「市民会議」って普段の生活だと聞き馴染みがないかもしれませんが、ヨーロッパなどでは行政が主導するレベルで行われている取り組みなんです。
市民会議の議論がそのまま採決の投票につながる仕組みができていて、最近では日本でも学生が市民会議を開催して経団連や政党などに意見を提出しています。

また、市民会議は参加した人たちで勉強しながら意見をまとめるので参加へのハードルが低いんです。
何かへの問題意識さえあれば加われるので、大学に組み込むのに向いているのではないかと思いました。

−なるほど。冨永さんは最終的に学内市民会議をどのような団体にしていきたいですか?

一番最後には、教育が提供されているのではなく当たり前のように学生が関われるようにするという形になって欲しいと思っています。

今では学生生活課をはじめとしてキャリアセンターなどで学生が関われる場所も多いと思うんですが、その規模感を桁違いに大きくして学生が大学運営に参加できるという空気を作っていくのが目標です。

これまでの活動の中で感じたこと

−そのようなきっかけからスタートされた学内市民会議ですが、これまでの活動の中で感じたやりがいや大変だったことはありますか?

これは学内市民会議の特有の問題ではないと思うんですが、この活動を通じて人の意見を集めて整理することの難しさを知りました。

市民会議ではみんなが主体的になって動いていて、自分は「何が足りていないのか」「これを決める必要がある」などをコミュニケーションを取りながらカバーする必要があります。

あとはかなり大きなことをしようとしているので、常に希望を感じてもらえるようなリーダーであろうと思っています。

−確かにエネルギッシュな若手社長のようなリーダーについていきたいですよね。今、中心となって動いているメンバーは何人ほどいらっしゃいますか?

今は5人で、最終的には10人程度になる想定です。

−インスタグラムで冨永さん以外のメンバーのことも拝見したのですが、皆さん「社会福祉」や「民主主義」など何か1つの興味関心のある分野を持った方ですよね。

これは市民会議に参加してくれる人が多様であってほしいっていう考えから、運営する人もなるべくいろんな人に入ってもらおうと考えているためです。

最近英語版のInstagramアカウントを開設したのもそのためで、今は特に留学生の方などにも見ていただきたいですね。

活動の原動力とそのルーツ

−ありがとうございます。学生の中でも活発に活動されている冨永さんですが、その原動力は何でしょうか。

自分としてはなるべく楽でいたいと思っているんですけど、その理想を実現するにあたって「時間を無駄にしたくない」「何かになりたくない」みたいな考え方をすることが多いんです。

大学にいれる四年間という貴重な時間を、そこに居座るだけ状態で使いたくないと思っています。

格差もそうですし、どこにでもあるよくない状況を直すために自分の時間を使いたいというのが自分の使命感のような部分ですね。

−冨永さんは大学1年生の時から気候変動の市民会議に参加されていたと伺っているのですが、その行動に踏み出した理由などがあれば教えていただきたいです。

今なら小学校からでも環境問題について習うと思うんですけど、教師が環境について訴えているのに無駄なプリントやプラスチックのファイルを配っている現状に疑問を感じたんです。

またグレタさんのような環境活動家も出てきて、より多くの人が環境のことを口にするようになった中で自分もより強い危機感を抱きました。
恐らくそれが環境への関心をグッと高めたタイミングだと思います。

大学生としてのキャリア観について

−これまでのお話の中でかなり冨永さんのことがわかってきましたが、今は大学2年生としてどのようなキャリア観をお持ちですか?

多分普通に企業に勤めて仕事するのが得意じゃないので、ゆっくり生きるために田舎で林業することなどを想像しています。

あと最近だと学生団体をサポートすることでお金を得ている人もいるので、そういった方面も面白いと思っていますね。
それを実現するためには個人事業主や法人を立てる必要もあると考えています。

それであれば自分の今までの知見も活かせますし、何より挑戦する学生の背中を押すこともできるので、今のところはそんなキャリア観を持って生活しています。

−なるほど。今の質問と合わせて、「10年後にはどうなっていたい」といったイメージはありますか?

最低限自分がちょっと幸せであるのと、その幸せを誰かに還元できればいいなと思っています。

−素敵すぎます。ありがとうございます。

中央大学生にメッセージ

−このインタビューの締めくくりとして、今を生きている中央大学生にメッセージをお願いいたします。

不満って見えないだけでみんなが持っているはずで、それを形にして届けることが余裕でできるくらいの力を全員が持っているはずなんです。

もし周りの目が怖くて行動ができなくても同時に「やったほうがいい」という状況はあって、どう自分のマイナスな面を無視して恐怖だったりを克服できるかだと思っています。

自分も教室で30人くらいに向かって団体の周知をしたときは緊張しましたし、これは段々とコツを身につけていくしかないんです。

そう言った面で団体など何かに所属するのは結構大きいと思います。
実際学内市民会議のメンバーも団体の傘みたいなものがあるおかげで意見を言いやすくなったり、行動の思い切りがつきやすくなりました。

何かに挑戦できない学生にとって、実際は本人ではなくて環境が悪さをしていることが多いと思うんです。
まずは身を置く環境を変えて、視界を広げてみることをおすすめします。

中央大学 学内市民会議からのお知らせ

−それでは最後に、学内市民会議の方から何かお知らせがあればお願いします。

「学内市民会議」を来年春に開くために準備中です。学内市民会議では学生が集まって大学について話し合い、提案を作り、それを大学に提出します。

多くの学生が持つ不満が言葉になっていない状況を変え、「大学に対して学生の意見が反映されることを当たり前にする」という目的を持って活動しています。

メンバーは、同じ目的意識を持ちつつも、多様性や民主主義など、関心のあることに関連した準備を進めています。

より多くの人と一緒に会議を作っていきたいので、実行委員に興味のある方は、SNSでDMください!! また、フォローや拡散もよろしくお願いします!

Instagram:chuo.u_confer
Twitter:chuo_conf

−冨永さん、本日はお忙しい中ありがとうございました。学内市民会議の活動、心より応援しております。


【世の中理解塾について】
私たちは中央大学キャリアセンター公認の学生団体で、学生が「多様な働き方・キャリア観と触れ合い多様性と新たな価値観を創造する」コンテンツ作成を目標に活動しています。記事更新やイベント開催情報は下記のアカウントよりご覧ください。
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