【社会人インタビュー#5】総合デベロッパー(不動産)勤務OBの"キャリア”
学生運営メンバーの椙杜です。社会人インタビューやキャリアに役立つコラム記事などを発信する「世の中理解塾note」。今回は、法学部卒、東京建物株式会社にてビルマネジメントに従事されているOB、森野宇宙さんにインタビューを行いました。
森野さん)法学部政治学科2020年卒の森野と申します。学生時代は、ボランティア活動を行う学生団体や18歳選挙権実現のための政治活動、ラジオ局のパーソナリティーなど、幅広い活動をしておりました。その後、一年間の休学を経て留学を経験し、世界中の様々な都市を巡る中で、わが国でのまちづくりをしたいという想いを強くし、総合デベロッパーの「東京建物株式会社」に入社いたしました。現在は、ビルマネジメントの部署で働いております。
デベロッパーとは
森野さん)デベロッパーは、主に都市開発、まちづくりを行う業界になります。商社と同じように「総合」と「専門」に分かれるんですが、私は総合デベロッパーの会社に勤務しておりまして、オフィスビルやショッピングモール、タワーマンション、物流施設、ホテルなど、幅広い不動産アセットの開発に取り組んでいます。総合デベロッパーの特徴といたしましては、大規模な開発事業が推進できる点かなと思います。
森野さん)デベロッパーの仕事は、先ほど言った開発と、運営管理の2つがあります。ビルマネジメント部は後者の業務を行う部署になります。ビル管理業務や担当物件のエリアのマネジメント、例えばお祭りなどのイベント企画、なども業務として行っております。ただ一番メインなのは、その中でも契約関係の交渉です。賃貸借の再契約をする際に、増額改定などをお願いする業務ですね。事務所賃料を上げて、東京の地価を上げていこうという取り組みをしています。
森野さん)新卒1年目から役員や副社長、社長レベルのお客様と交渉しなければいけないので、なかなか他の業界では見られない営業をする業界だなと思います(笑)。
森野さん)そうですね。人数がとても少ないので。私の会社のように売り上げ規模が3500億円を超える企業でも、700人ほどしか社員がいないんですよ。他業界だと何千人といてもおかしくないですよね。なので、どこの部署に行ったとしても最前線でプロジェクトを任せられるのがデベロッパーの特徴の1つかなと思います。
現在の職業に就いた理由
森野さん)元々まちづくりの活動をやっていたので、それができる業界はどこだろうと考えた時に鉄道業界とデベロッパー業界だなと思いました。
前者は「沿線開発」(鉄道の沿線にそってまちづくりを行う)を通して街を盛り上げていく仕事になります。一方で後者は、沿線のような制限はなく色々なエリアで開発事業を行うものです。鉄道業界は鉄道業務がメインなので、
やはり不動産業務がメインであるデベロッパーを最終的に選択しました。
森野さん)東京やその付近の首都圏の価値を高めたいという私の想いと、東京建物の特徴とが一致したからです。まず私の想いからお話させていただきます。私は昔から東京のプレゼンス(影響力が経済的にあること)を高めたいというふうに考えておりまして、というのも、世界三大都市(ニューヨーク、ロンドン、東京)の中で一番 "他の新興国に抜かれるリスク”が圧倒的にあると思ったんです。私が生きてる間にそうなりたくなくて、東京のプレゼンスを高め続けることが、結果として我が国の国益を守ることに繋がると考えました。一方で東京建物の特徴としては、社名からわかるように、東京(首都圏)のエリアをしっかりおさえているという点があるんです。なので、東京というエリアの価値を高めたいっていう私の想いと一致しまして、入社を決めました。
森野さん)私の考えって政治家ですよね(笑)。国益を守るにはどうすればいいかということを常に考えて動いてるので。今までの活動もやっぱそういうことを指針にしていたような気がします。小学生の時に社会の授業を通して政治に興味を持って、それ以降政治に対する想いが強くなった気がします。
働く上での “やりがい” と “大変なこと”。
森野さん)高い値段や大きい規模でビルの賃料の契約/再契約が取れた時にとてもやりがいを感じますね。実際、東京建物は私が入社してからずっと最高益を出し続けていて、自分が行った仕事の結果がしっかり残せているなと思います。ボーナスとしても反映されていますし(笑)。
森野さん)業績の厳しい企業様への営業の際に、賃料増額に納得していただけるようにすることが時々難しいなと感じます。不動産業界的に近年は、不動産価格が上がってきているんですね。それを他業界の、なおかつ業績が厳しい企業様にご理解していただくような交渉は結構骨が折れる仕事です。
社会で生きる上での「選択の軸」
森野さん)軸というか考え方として持っているのは、「やらない後悔よりやった後の後悔」です。何か失敗したとしても、やらなかったときの後悔の方が絶対大きいなというふうに思っています。例えば、あまり恵まれない家庭に生まれ育った友達の苦しいエピソードを聞いた時に、この問題解決しなきゃという使命感で感じてNPO法人を立ち上げたり、高校1年生の時には「中高生でも主体的に活動できる枠組みを」と思ってボランティアサークルを作ったりしました。自分は、「やろうかな」と思った瞬間に何か深く考えるより先に足が動くタイプだなと思います。すぐに組織化して団体を作りますし。
10年後のキャリア像
森野さん)正直まだわからないですね。今の仕事はすごく楽しくてやりがいがある。2030年に大規模再開発案件があったり、東京の街がどんどん変わっていくすごく楽しい時代に入社したんですよ。なので、この仕事を続けたいという想いが実めちゃくちゃ強いんですよ。ただ、やはり自分は元々政治をやりたいっていう想いも小学生から持ち続けていて。政治の方がやはりやりたいっていう思いが強いのも確かなんです。10年後だと家庭を持っているかもしれなくて、そうなると自分だけの人生ではなくなると思うんですね。なので、今はまだ迷い中です。
中大生へメッセージ
森野さん)2つお伝えしたいことがあります。1つ目は、「早い段階からやりたいことについて考える」ということです。やりたいことを決めて、それに向かって人生を歩んでいくということが非常に重要になってくるかなと思います。就職活動でも "ガクチカ”という形で見られたりしますしね。別に就職活動を早めにやるというわけではなく、早い段階で興味のある分野を見つけることが僕からのアドバイスです。
森野さん)2つ目は、「中大は素晴らしい大学だよ」ということ。他学部履修もできるし、校風として実学を重んじる大学なので、座学で勉強することはもちろん大切なんですけど、実際に仕事で活かせることが勉強できるのが中大の特徴だなというふうに思っています。先ほど言った興味ある分野を見つけるきっかけ作りにもなりますし。中大はMARCHの中で偏差値が低いと言われがちですけど(笑)、でも自分の興味関心を伸ばすという環境が圧倒的に整ってる大学だと個人的には感じています。そういった中で、もちろんサークルを楽しんだり飲み会に明け暮れたりとかもある意味大事ですが、大学の制度を存分に使って、他学部履修などを通して自分の専門分野ではないものを広く学ぶことも非常に重要になると私は考えています。
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