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「人物」について学ぶ意味
どうやって「人物」を学ぶか
みなさま。こんにちは。
CLAFTスタッフのサトルです。
タイトルの
「人物」について学ぶ意味。
「人物を学ぶって具体的にどういうこと?」と思われるかもしれません。みなさんは、これまで「人物」について学んだことってありますか?多くの人が、歴史の授業で織田信長やペリーといった有名人について勉強したよ、くらいだと思います。それっていま振り返ってみると、名前といつの時代の人か、くらいの印象しか残っていない。少なくとも、あんまりおもしろい学びではなかったように感じます。
図書館に行くと「伝記」と呼ばれる、ある個人の人生を一冊にまとめた本があります。(マンガのイメージの方が強いかも) ほかにも1時間ほどの映像で、ある個人に密着した「人物ドキュメンタリー」と呼ばれるものもあります。この伝記とドキュメンタリーは、いまでも新しいものが発売されています。つまり一定の需要があるということ。この二つって、まさに「人物を学ぶ」の代表作だと思うのですが、どうしてこれには需要があるのでしょうか。
伝記には、その人の子ども時代から亡くなるまでの一生が描かれていることが多いです。さらに、本になるほどの人なので、結構すごいことをやってる。一人の人生ではあるものの、そのエピソードが魅力的になるのもうなずけます。
ドキュメンタリーは、職業人やその人の仕事に密着するイメージが強いです。単純に、自分が知らない仕事の世界を知れるのがおもしろい。そして、職業が違っても、同じ「仕事人」として共感する部分や尊敬を感じる部分が多く、大人の胸を熱くすることも人気の理由の一つだと思います。
歴史の授業で「人物を学ぶ」。伝記やドキュメンタリーで「人物を学ぶ」。「人物を学ぶ」という目的は同じなのに、どうしておもしろさに違いがあるのか。今回はその違いを中心に、そもそも「人物を学ぶ」ことに意味があるのかについて考えていきます。
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「人物」の何を見る?
「授業」は名前や時代を見る
まずは、歴史の授業の「人物を学ぶ」を掘り下げていきます。学校の授業には、受験やテストのために学ぶという目的があります。歴史の授業で新しい人物が出てくるたびに、一人ひとりの人生を学んでいては、教科書が終わりません。世界史なんかは教科書1ページに2,3人出てきたりするので先生からすると絶望的でしょう。なので、授業で人物のなにを学ぶかを考えると、「名前、その人がかかわる時代、有名な出来事(何をしたか)」くらいじゃないでしょうか。信長を例に出すと、「安土桃山時代に天下統一して、明智光秀に裏切られた人」くらいのイメージ。これでは、おもしろいもなにも、ただ事実(歴史上の話でも一応事実と考えますね)だけをなぞっておしまいなので、人物を学んだ、と言えるかどうかも怪しいですよね。
「伝記」は人生を見る
次は伝記の「人物を学ぶ」について。先ほども書きましたが、伝記とは、その人の一生を描いたもの。授業と比べると、より多くの情報を得ることができます。伝記が人気な理由はなんだろう?と考えてみると、どの年齢の人が読んでも物語に入り込みやすいところかな、と思いました。伝記には、自分と同じ年齢のときに、その人がどんなことをしていたのかが書かれています。それを参考にしたり、将来の生き方の目標にしたりといった、自分の人生に重ねることができるのが伝記のおもしろさ。時間も気にしなくていいので、授業よりも、一人ひとりの「人生について」学べるんですよね。その生き方や考え方から学べることだけでなく、いまの自分に置き換えて参考にできるのも、幅広い年齢層に人気な理由だと思います。
「ドキュメンタリー」は生き様を見る
最後にドキュメンタリー。私は「映像」という前提を持っているので、何よりも得られる情報量が多い。そして、歴史上の人物という遠い距離の人と違って、同じ時代を生きている人であったり、自分が好きな作品を作った人であったりというように、元々興味が向いていることもおもしろく感じる理由かな、と思います。ドキュメンタリーでは、その人の生活、仕事や人とのかかわり、休日の過ごし方など、リアルを映像として見ることができるので、かなり心理的な距離が近づくのではないでしょうか。それほど有名でない人の場合でも、仕事でもがき苦しんでいる様子が映ると、思わず応援したくなる、見事、仕事で成功をおさめると、自分事のように喜んでしまう、というような没入感を感じます。ドキュメンタリーで人物を学ぶと、「その人の生き様」を知ることができる。この学びって、エナジードリンクよりも自分のやる気に火をつける結果になったり、これから自分がどう生きていくかの参考になったりするんですよね。
「人物を学ぶ」=心を動かす学び
個人的にまとめてみて思うのが、授業と伝記・ドキュメンタリーの違いは、「心を動かす」学びであるかどうかです。人物を学ぶことの意味というのは、名前や時代、代表的な出来事に軽く触れるだけでなく、もっと深いところまで入り込んだときに見つかるものだと思っています。同じ学びであっても、「何を学ぶか」という視点を増やすことで、より深い学び、より多角的な学びになるのではないでしょうか。
学んだことによっては、それまでの自分の常識がひっくり返るきっかけになるかもしれないし、自分が思ってもみなかった分野への興味の扉を開くカギになるかもしれません。
個人的には、大河ドラマが好きなので(これもドキュメンタリーの一つ?)、歴史上の人物でも、一人をじっくりと学んでみることはとても勉強になると思っています。(おいは〝西郷どん〟を見終わった後、しばらく薩摩弁になりもうした。すんもはん!)
学生のうちは、受験やテストのために勉強をすることも大切だと思います。それでも、自分が興味を持った人物について、テストとは関係ない部分を少し掘り下げてみるのもおもしろいかもしれません。大人はまさにそうした学びを自分からするべきなんだろうなと思います。なんだか怪しいセミナーに行ったり、よくわからないイケイケの起業家の妄言を信じるよりも、偉人と一対一で向き合う時間を作ることが、いまの仕事、ひいては人生を好転させる出会いになるかもしれませんからね。