使命感ではなくて生きる

昔は使命感に燃えていた。私は人のために生きるのだと、高潔でいなければと思って生きていた。

自分が高潔になんて生きられなくて、
むしろただ息をしているだけで精一杯になって
汚い姿で這いずりながら生きた。
気高いことなど何一つ考えられなくて
川に浮かぶ小枝がかろうじて沈まずに流れていくように、
風と波に寄せられるままに日々を生きた。

いま、ほんの少しだけ意志が戻ってきて
この先のことを考えている。
でももう、同じ過ちは犯すまい。
もっと楽しく。もっと気楽に生きるんだ。
人助けも楽しくなけりゃ。
修行の人助けはもう沢山なんだ。
私にはもう使命感は必要ない。
ただ軽やかに風を受けて鳴る小枝でいよう。

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