#パリピ語訳聖書 旧約聖書を古典ヘブライ語からパリピ語に翻訳してみた -『コヘレト』第1章-
最近聖書の英語訳やフランス語訳を読んでみた。口語的で大変読みやすかったので、日本で出回っている聖書の日本語訳と比べてみた。そしたら、日本語訳が英語訳やフランス語訳と比べてあまりにも文語的で、しかもわかりにくいことに気づいた。そこで、自分で「楽しく・わかりやすい」聖書の日本語訳を作ってみようという気になった。
そして、一回ためしに旧約聖書の『コヘレト』の一文を原文である古典ヘブライ語からパリピ風(パリピ:パーティーピープルの略、「パーティーなどで盛り上がるのが好きな若者たち」という意味)に翻訳したものをSNS上に上げたら非常に評判が良かったので、今回ブログでも公開することにした。
ちなみに誤解を与えないように付け加えておくが、英語やフランス語でも文語的な訳文は出ている。筆者としては、口語的なわかりやすい日本語訳を誰にでもアクセスしやすい形で世に出すことそのものに意味があると考えている。
なお、原文を一字一句丁寧に逐語訳していくよりも、日本語としての意味の伝わりやすさを心がけたので、原文が持つ元々のニュアンスは損なわれている可能性がある。ただし、原文に書かれている言葉の一つ一つを分析し、極力元の意味からかけ離れた文章になることは避けるようにはしている。なので、読む人にとっては元の意味がわかりやすく、しかも楽しく読めるという文章になっているはずである。
この日本語訳はいわゆる「いまどき」の若者言葉で構成されているので、読むのがつらいという人もいるかもしれない。もし、そういう人からの意見があれば、他の語調の日本語訳も出すつもりであるし、おそらく出すだろうと思う。
そして、筆者の文章が駄文だと思う人もいるかもしれない。そういう人も、自分が考えるベストな聖書の日本語訳を作ってみてほしい。いろんな形式の文章があった方が、その形式の方が読みやすいという人にとってはありがたいはずである。第2、第3と後に続いていく人がいることを切に願う。
今回はコヘレト第1章を公開する。
קֹהֶלֶת コヘレト 第1章
א דִּבְרֵי קֹהֶלֶת בֶּן-דָּוִד, מֶלֶךְ בִּירוּשָׁלִָם
1 ダビデ王の息子、そしてエルサレムにいる王、コヘレト(パンピーに向かって説教垂れる人、つまりラッパー)がこんなこと言ったらしい
ב הֲבֵל הֲבָלִים אָמַר קֹהֶלֶת, הֲבֵל הֲבָלִים הַכֹּל הָבֶל
2 「ダリィ…ダルすぎるわ」コヘレトがなんか言ってる「なんか全部ダリィわ」
ג מַה-יִּתְרוֹן, לָאָדָם: בְּכָל-עֲמָלוֹ--שֶׁיַּעֲמֹל, תַּחַת הַשָּׁמֶשׁ
3 太陽の下でがむしゃらに働いたからといってもらえるもんはたかが知れてるじゃん
ד דּוֹר הֹלֵךְ וְדוֹר בָּא, וְהָאָרֶץ לְעוֹלָם עֹמָדֶת
4 子どもが親のあとを継ぐっしょ ほんでまたその次の子どもが親の後を継ぐわけっしょ でもさあ それでも大地は変わらず永遠に残ってくだけじゃん
ה וְזָרַח הַשֶּׁמֶשׁ, וּבָא הַשָּׁמֶשׁ; וְאֶל-מְקוֹמוֹ--שׁוֹאֵף זוֹרֵחַ הוּא, שָׁם
5 日が昇ってまた沈むよね そんでまた昇ってきた方向にダッシュして舞い戻るだけじゃん
ו הוֹלֵךְ, אֶל-דָּרוֹם, וְסוֹבֵב, אֶל-צָפוֹן; סוֹבֵב סֹבֵב הוֹלֵךְ הָרוּחַ, וְעַל-סְבִיבֹתָיו שָׁב הָרוּחַ
6 風ちゃんは南に吹いてえ、今度は北に向きを変えて吹くっしょ?
風ちゃんはずっとそのリセマラを繰り替えしてえ
そんでまたずっとそのリセマラを続けていくだけじゃん
ז כָּל-הַנְּחָלִים הֹלְכִים אֶל-הַיָּם, וְהַיָּם אֵינֶנּוּ מָלֵא; אֶל-מְקוֹם, שֶׁהַנְּחָלִים הֹלְכִים--שָׁם הֵם שָׁבִים, לָלָכֶת
7 なんかむっちゃ河が海に注ぎ込まれるっしょ
で、それでも海が満たされることはないわけじゃん
でさあ 河はまた元来たところに流れ戻るだけじゃん
ח כָּל-הַדְּבָרִים יְגֵעִים, לֹא-יוּכַל אִישׁ לְדַבֵּר; לֹא-תִשְׂבַּע עַיִן לִרְאוֹת, וְלֹא-תִמָּלֵא אֹזֶן מִשְּׁמֹעַ
8 なんか全部ダリィ 口にできないほどドイヒー
ガンつけられるもんなんかマジ大したことねえし
耳に聞こえてくる音なんかテン下げなんだけどぉ
ט מַה-שֶּׁהָיָה, הוּא שֶׁיִּהְיֶה, וּמַה-שֶּׁנַּעֲשָׂה, הוּא שֶׁיֵּעָשֶׂה; וְאֵין כָּל-חָדָשׁ, תַּחַת הַשָּׁמֶשׁ
9 今まで「わず」したことはこれからも「うぃる」するし
今まで「だん」されたことはこれからも「だん」されるだけじゃん
י יֵשׁ דָּבָר שֶׁיֹּאמַר רְאֵה-זֶה, חָדָשׁ הוּא: כְּבָר הָיָה לְעֹלָמִים, אֲשֶׁר הָיָה מִלְּפָנֵנוּ
10 こういうこと言う奴いんじゃん
『うっはwwこれマジナウくね?www』って
オレからしたらさ は?なんもナウくねえし 大昔っからあるもんだしぃ オレらがオギャるずっと前からあったって感じだしぃ
יא אֵין זִכְרוֹן, לָרִאשֹׁנִים; וְגַם לָאַחֲרֹנִים שֶׁיִּהְיוּ, לֹא-יִהְיֶה לָהֶם זִכָּרוֹן--עִם שֶׁיִּהְיוּ, לָאַחֲרֹנָה
11 みんな覚えてねえ 昔のこと
後の世代も前の世代のことを覚えてねえ
יב אֲנִי קֹהֶלֶת, הָיִיתִי מֶלֶךְ עַל-יִשְׂרָאֵל--בִּירוּשָׁלִָם
12 オレはコヘレト エルサレムで日夜仕事
レペゼン・イスラエル 王様としてお前らをコントロール
יג וְנָתַתִּי אֶת-לִבִּי, לִדְרוֹשׁ וְלָתוּר בַּחָכְמָה, עַל כָּל-אֲשֶׁר נַעֲשָׂה, תַּחַת הַשָּׁמָיִם; הוּא עִנְיַן רָע, נָתַן אֱלֹהִים לִבְנֵי הָאָדָם--לַעֲנוֹת בּו
13 神様から受けた指名 それはとてもつらい試練
万物を求め振り絞る知恵 天の下オレはすべて完遂して
יד רָאִיתִי, אֶת-כָּל-הַמַּעֲשִׂים, שֶׁנַּעֲשׂוּ,תַּחַת הַשָּׁמֶשׁ; וְהִנֵּה הַכֹּל הֶבֶל, וּרְעוּת רוּחַ
14 太陽の下で起きた出来事ぜんぶ見てきたぜ でもさあ マジ卍
その出来事はぜんぶ無意味で まるで風を追うようなもんだったわ
טו מְעֻוָּת, לֹא-יוּכַל לִתְקֹן; וְחֶסְרוֹן, לֹא-יוּכַל לְהִמָּנוֹת
15 グラついたもんは真っ直ぐには戻せなくて
どこか欠けてしまったもんは数に入れらんねえ
טז דִּבַּרְתִּי אֲנִי עִם-לִבִּי, לֵאמֹר--אֲנִי הִנֵּה הִגְדַּלְתִּי וְהוֹסַפְתִּי חָכְמָה, עַל כָּל-אֲשֶׁר-הָיָה לְפָנַי עַל-יְרוּשָׁלִָם; וְלִבִּי רָאָה הַרְבֵּה, חָכְמָה וָדָעַת
16 オレ自分のハートに言い聞かせたぜ
『YO!よく聞いとけ
オレが今まで掴んだ知恵 エルサレム治めてきたオレ以前
のキング達が得たものすべて よりもオレの知恵マジ半端ねえ』
そう オレのハートはむっちゃ知恵と知識つまってる
יז וָאֶתְּנָה לִבִּי לָדַעַת חָכְמָה, וְדַעַת הוֹלֵלֹת וְשִׂכְלוּת: יָדַעְתִּי, שֶׁגַּם-זֶה הוּא רַעְיוֹן רוּחַ
17 知恵を知るのにオレがんばった 狂ったこともアホなことも知った
そして悟った これも風を追うようなもんだってね
יח כִּי בְּרֹב חָכְמָה, רָב-כָּעַס; וְיוֹסִיף דַּעַת, יוֹסִיף מַכְאוֹב
18 ていうか知恵がつけばつくほどイライラするし
知識が増し増しになるほどつらたんも倍増しになるだけじゃん