WordpressからmicroCMSへの移行ガイド vol.2
【注意事項】
この記事ではPHPでmicroCMSを利用してページを実装する方法を解説しています。記事データの移行方法については以下のオフィシャルチュートリアルを参照してください。
移行手順
1. 現在のサイト構造とコンテンツの整理
移行前に、Wordpressサイトの全体構造を把握しておきます。
microCMSで構築する際のフィールドを合わせておいた方が、データ移行の際にスムーズです。
2. microCMSのアカウント作成とプロジェクト設定
microCMSのアカウントを作成し、新しいプロジェクトを立ち上げます。プランは5種類ありますが、小さなプロジェクトであればHobbyで充分です。注意点はデータ転送量に制限があるので、サイトのアクセス状況に応じて判断してください。
登録後、APIスキーマからフィールドを設定し、Wordpressのコンテンツに対応する項目を作成します。
「WordpressからmicroCMSへの移行ガイド vol.3」で説明します。
3. フロントエンドの実装
microCMSはヘッドレスCMSのため、フロントエンドは別途構築する必要があります。無料/有料のテンプレートはありますが、今回はそれらのテンプレートは使用せず、「一から作成する」からプロジェクトを作成することを前提としてWordpressのオリジナルテーマのように構築していきます。
「WordpressからmicroCMSへの移行ガイド vol.4」で詳しく説明します。
4. microCMSへのデータインポート
APIまたはmicroCMSの管理画面を使用して、整理されたデータをインポートします。いくつか方法があるので、オフィシャルのチュートリアルを見ながら実施してください。
5. 動作テストと公開
データが正確に反映されているか、サイト全体の動作をテストします。特に、APIレスポンスやページ速度、リンク切れの有無を確認してください。すべてが問題なく動作することを確認したら、本番環境で公開します。
移行における注意点
SEOの引き継ぎ:移行後に検索エンジンの評価が下がらないよう、リダイレクト設定を適切に行う。
バックアップ:移行前には必ずWordpressデータのバックアップを取得しておく。
トレーニング:新しい管理画面や運用フローに慣れるためのトレーニングを実施。
移行プロセスを理解すれば、トラブルを最小限に抑えてmicroCMSの利便性を最大限活用することが可能です。
移行のメリットとデメリット
WordpressからmicroCMSへの移行には多くの利点がありますが、一方で考慮すべき課題も存在します。ここでは、移行のメリットとデメリットをバランスよく解説します。
移行のメリット
1. パフォーマンスの向上
microCMSは軽量なヘッドレスCMSであり、APIを使用してコンテンツを提供するため、従来のWordpressに比べてページの読み込み速度が大幅に向上します。
2. セキュリティの強化
Wordpressでよく見られるのが、管理画面へのログインページが剥き出しで公開されていることがあります。非常に危険です。また、プラグインやテーマに依存することが多く、これがセキュリティの脆弱性を引き起こす原因となる場合があります。一方、microCMSでは、サーバーやソフトウェアの管理をサービスプロバイダーが行うため、セキュリティリスクが大幅に軽減されます。
3. 柔軟なマルチチャネル展開
API駆動型の設計により、ウェブサイトに限らずモバイルアプリやデジタルサイネージなど、複数のプラットフォームに同じコンテンツを効率よく配信できます。例えば、記事投稿を行うとWebhookを利用して、エンドユーザーに簡単にLINE通知を行うことが出来ます。
4. メンテナンスの負担軽減
Wordpressは定期的なアップデートやプラグイン管理が必要ですが、microCMSはそうしたメンテナンス作業がほとんど不要です。これにより、開発や運用の効率が向上します。
5. スケーラビリティの向上
microCMSはクラウドベースのサービスであり、トラフィックの増加にも柔軟に対応できます。これにより、急激なアクセス増加時にも安定したサービスを提供できます。
移行のデメリット
1. 初期費用と学習コスト
microCMSへの移行には、初期構築費用(Hobbyプランは無料)や開発者のトレーニングにかかるコストが発生する場合があります。特に、Wordpressのテーマやプラグインがそのまま利用できないため、フロントエンドの再構築が必要です。
学習コストについては、この記事の続きを読むことで軽減されると思います。
2. プラグインエコシステムの欠如
Wordpressには数多くのプラグインが用意されており、非エンジニアでも容易に機能を拡張できます。しかし、microCMSではプラグインの概念がなく、必要な機能はすべてAPIやカスタム開発で対応する必要があります。
3. フロントエンド開発の依存
microCMSはヘッドレスCMSであるため、フロントエンド開発が不可欠です。
メリットとデメリットのバランス
いくつかのデメリットはありますが、筆者の私見ではメリットの方が大きく、WordpressでもmicroCMSでも要件を満たせるのであれば、microCMSを使用して構築する方が、スマートで安全にサイト運用が行えると考えています。
ただ、もちろんWordpressが悪いわけではなく、Wordpressが持つ強みを十分に発揮して構築を行なったサイト運用も行わせていただいてます。
次は、「microCMSのアカウント作成とプロジェクト設定」で、フロントエンド実装の前準備を行います。
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