影遊び
朝の四時に起きメガネをかけて
瞼を擦ればそこはススキノで
今は何時なんだ?それすらもどうだか
朝方のカラスがゴミを拾い踊る
眠気眼擦り歩く
狸小路on the ベット
通り過ぎる影 また騒いでいる
眼鏡を手に取る
隙間から覗く
これは確か12歳の頃で
文部省にはすでにバイバイして
歩きながら読む サブリミナルなバイブル
転びながら見る 黒蟻の大群
あの日ハックし発覚した視聴覚
カレらはニヘラワライながら僕を差し
「どうかしたのかい?」
どうもしねーよ
首をひねり道を歩き
未来書房にフラリ入るが暗い
ミステリのコーナー 何時もと違うな
本棚越しに越しに見えるのダレダ
指を掛けるコナンドイル
背表紙の黒いホームズが笑う
ワトソンの自殺 がサヨナラの合図
本を手に取る
隙間から覗く
これは確か19の頃
すでに常識にはバイバイして
監視しつつ いつの間にか舐める
魔法のキャンディ マジで美味すぎる
調べ物には注意 好奇心は悪魔
耽美でキッシュ 欲しいなデザート
「カレハイカレテル」
僕もそう思う
店を出ると側溝の隙間に人の顔を見つける
電柱の陰にある何かがまた光る
僕を付け回す スパイと影
女の影
ワンピースの影
夜も昼も影に居るやつらの夢は
デジタルでアナログなSFの様で
限りなく純粋な 子供の頃の踏み絵
カメラを手に取る
隙間から覗く