SAYONARAと酒
この季節はオセンチで街があふれるから、見ていられなくなって、部屋に籠る。なにが嫌かしらないけれど、勝手にサヨナラしていく奴らは、ニュースでも流れるから、テレビも消して、飲めない酒を一人で飲む。
冬 あのころの溜まり場の
あの頃の酒を思い出し飲む酒は
今だってそんなに強くはない
クリスマス、年越し、正月、全部過ごしたあのボロの借家でなぜか飲んでた大五郎は、なぜかあった湯呑で飲んでた。
笑えるか?
聞かれた気がして酒を飲んで唸り、割れた窓に向かって答える
笑えるよ
思い出せばいつでも。もう 誰にも会えないけれど、まだまだ思い出せるよ
さよなら
言いたくなかったな あのさよなら、シンミリなんて本当に嫌で、ごまかして笑って、金を渡せなくて、米とか渡しちゃって、思い出せば、いつだって笑えるよ
酒を飲むよ
お前らを思い出して、今日も酒を飲むよ。
お前も飲めよ
飲めない酒を、濃いめの酒を。
酒を飲めよ
さよならが聞こえる間は
酒を飲めよ
さよならが消えるまで
酒を飲めよ