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家内労働者等の必要経費の特例について

知る人ぞ知る(?)、知っている人は知っている、表記の家内労働者等の必要経費の特例というものがあります。

制度の概要-給与所得控除の小規模事業者版的なものー

事業所得又は雑所得で家内労働者等の場合には、必要経費として55万円まで(令和元年分以前は65万円。以下同じ。)認められる特例です。

実際に必要経費がそんなにかかっていなくとも、つまり、支出してなくとも(お金を払っていなくとも)55万円までは一律に経費にしてくれるというものです。

(実際の経費に加えて55万円を経費にしてくれるものではないのであしからず。)

55万円にどこか見覚えがありますが、これは給与所得控除の最低控除額と同額です。

つまり、家内労働者は給与所得者ではないものの、給与所得者であればいわば概算で55万円の控除が認められていることの対比で、家内労働者にも概算経費を認めるというものです。

対象となる人

ここで、家内労働者とは上記国税庁のタックスアンサーで

①家内労働法に規定する家内労働者や、②外交員、集金人、電力量計の検針人のほか、③特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする人

とされています。(文中番号は、筆者追記)

①家内労働法に規定する「家内労働」とは、

自宅などを作業場として、製造・加工業者や問屋などの業者から物品の提供を受けて、一人若しくは同居の親族とともに、その物品を部品又は原材料とする物品の製造や加工を行うことをいいます。

と、厚生労働省(東京労働局)が案内しています。
要は、内職です。

②「外交員、集金人、電力量計の検針人」とありますが、このうち、外交員とは何ぞやという点につき、裁決事例集では

事業主の委託を受け、継続的に事業主の商品等の購入の勧誘を行い、購入者と事業主との間の売買契約の締結を媒介する役務を自己の計算において事業主に提供し、その報酬が商品等の販売高に応じて定められている者と解されている。(平11.3.11裁決、裁決事例集No.57 206頁)

と述べています。

保険の外交員が典型例ですが、いわゆるヤクルトレディもこれにあたります。あの方々、従業員ではなく個人事業主として多くは働いていらっしゃるということですが、つまりこれです。

③特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うこと とあります。

実は昨今、この規定を生かしてけっこういろいろな業種にこの特例を使っている例が見られます。とあるところのほぼほぼ専属のフリーランスで、とあるところの何らかの業務を行っている人、けっこういるのではないかと思います。

雇用関係なのか業務委託関係なのかは、きわめてびみょーなところですが、業務委託関係だから年末調整はしない、源泉徴収票は出さない、というところであっても、実質的には給与所得と近いようなものなので、せめて給与所得控除と同じ最低概算経費は確保されている、といえます。

ただ、副業で在宅ワーク、な人は使えません。さすがに給与所得控除とこの特例の二重取りはできないことになっています。

本日は以上です。ご覧いただきありがとうございました。

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