ヨンゴトナキオク32 2021.6.4
風の便りはよい便り~『HELP EVER HURT COVER』を聴きながら ②
①に続いてピックアップするのは、フランキー・ヴァリの『My eyes adore you』。The Four Seasonsのリード・ヴォーカルだったフランキーが1974年にソロとして発表した作品です。グループ名がまさに「四季」。ヨンゴトで取り上げるにふさわしいアーティストじゃないですか(笑)。1962年の『Sherry』が全米第1位になり、一躍スターダムに上ったThe Four Seasons。とりわけフランキー独特のファルセットヴォイスが絶大な人気を博しました。
私がThe Four Seasonsの存在を知ったのは、1975年にヒットしたこの曲でした。
ハイハットのフェイドインと鮮やかなコーラスから始まるこの曲がラジオから聴こえると思わず聴き入ったものです。この時のフランキーは低いキーで歌っているので、懐メロとしての『Sherry』は知っていたけれど、にわかにはつながりませんでした。当時、『Who loves~』とともに流行っていたのが、『My eyes~』でした。
彼の人生を中心にThe Four Seasonsの栄光と挫折を描いた物語は、2005年10月4日にミュージカル『ジャージーボーイズ』としてプレデビュー。さらに2014年に映画化されました。この映画が素晴らしいんです。監督がなんとクリント・イーストウッド。ミュージカルでも主役のフランキー役を演じたジョン・ロイド・ヤングは1985年7月4日生まれです!映画では、スターになったフランキーが妻と不和になり、家を出るときに、娘のフランシーンに子守歌のように歌いかけるのが『My eyes~』。フランシーンはドラッグが原因で突然早世してしまうのですが、つらい彼女の葬儀の場面でもこの曲が流れます。
My eyes adored you
Though I never laid a hand on you
My eyes adored you
Like a million miles away from me
You couldn't see how I adored you
So close, so close and yet so far
僕の瞳は君をいとおしんだ
君に手を触れたこともなかったのに
僕の瞳は君が恋しかった
100万マイルも離れてるようで
僕がどれほど君を崇拝しているか君にはわからなかった
こんなに近くて こんなに近くて
まだこんなに遠い
切ない、恋愛を超えたようなラヴソングですね。映画の中では娘を思う父の気持ちを代弁するような歌としてとても印象的にフィーチャーされています。一方、風君の歌声はとても甘くて、一見優しい弾き語りのように思えるけれど、シンプルだからこそ歌やピアノのテクニックが求められる、やはり常人には真似のできない作品となっています。そして盛り上がってそのままフェイドアウト。余韻の残る感じもぴったりです。
この曲を実は我がバリー・マニロウもカヴァーしています。彼が歌うとキーの低さもあるのか声の幅がぐっと増して、より説得力が生まれているように思いました。
これはこれでカッコいいと思いませんか?私はハスキーな声はあまり好きではないのですが、バリーのちょっと割れ気味な、それでいて伸びのある声が例外的に好きです。彼のはお約束のフェイドアウト(笑)(最後ちょっとぶっ切れ感はありますが)
さて、フランキー・ヴァリは今もご健在のようです。1934年生まれなので、今年87歳ですが、youtubeにアップされていた2019年のライヴでは見事なファルセットヴォイスを披露されていました。バリーはまもなく75歳ですが、フランキーを思うとまだまだ鼻たれ小僧か(?)そして、風君に至っては、これからどれだけ長い音楽人生が待っているんでしょう。
全く楽しみですね~‼
興行的にはコケたらしいのですが、映画のカッコいいフィナーレをご覧くださいまし。キレのいいダンスが素敵♥
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