自叙伝「#車いすの暴れん坊」#11 ツーリング
久留米市にある高良山という山に走りに行くことになった。まあツーリングみたいなもので、バイクが 数台に車1台。ノリで作ったチームなので、バイクの台数が足りない。
そこで前日に他のグループの知り合いに電話して、ちょっと走りに行くんで、遊びに来いよと誘い、大濠公園に集まって、それから久留米の高良山を目差す。とこ ろが大濠公園に集まってみると、ふたりほど乗れない奴がいる。そいつらは途中で車 かバイクをナンパして、高良山に行くことになった。なんとも面白い。
高良山に向かって走っていると途中で事故が起きた。俺の横を人が宙を舞うように 飛んで行った。道路にちょこんと着地して座っているのだが動けない。どうも足を骨 折したようだ。
ズボンから血が滲んでいる。救急車に電話して到着するのを待つ。皆、法被を着ているもんだから、このままじゃヤバイよねということで、法被をまとめて車のトランクに押し込んだ。
間もなく、救急車と警察が来て、俺らは救急車について、何人かが病院に行った。残った連中はどうも警察に呼ばれたらしい。
ところがやっぱ り見ている奴がいる。こいつら、揃いの法被を着て走っていた、暴走族だとも言った んだろう。
病院の後に鳥栖警察署に行ってみると、皆、法被の「暴連坊」の文字の上 に縫い付けてあった「私設警察」という文字をカッターで外していた。警察にしてみ ればそうだよね。私設警察、私が設立した警察なんて、勝手に刺繍するなということ だ。
まあ顔写真なんかを撮られて、それでも交通法規を犯したわけでもなかったから、簡単な聞き取り程度で帰してもらえた。
バイクの後ろに乗っていて吹っ飛んだ奴は、脛を複雑骨折していて、3カ月の入院となっていた。
何度か見舞いに行ったが、奴はちゃっかりと看護師さんのナンパに成功していた。
この走りというかツーリング、台数が足らずに残ったふたりが天神でヤンキー車をナンパして、結局、高良山の目的地に着いたのは、そのふたりだけだったというオチになった。
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