自叙伝「#車いすの暴れん坊」#5 ピンクのスカジャン二人組
ナンパにもだいぶ慣れていた頃だった。天神を友達とぶらぶらしていると、ピンクのスタジャンを着た二人組、髪型は百恵ちゃんカット、もう後ろから見るだけで美人だと分かるような気配、きっとルックスも可愛いはず。ときどき外すことはあるんだが、まあ間違いはないだろう。5分くらい追って行って、チャンス到来。
「ねえ、彼女たちお茶飲みに行かない」
と声をかけ、彼女たちが振りむいた瞬間、我が目を疑った。なんと中学のときの同級生の二人組、それもアイドルの呼び声高い二人組だった。
俺の友達はそんなこと知らないから、すごい乗り気でいろいろ声をかけるんだけど、俺はもう恥ずかしさ一杯で、ダッシュで逃げた。こんな気まずい経験は初めてだった。
ローカルな話題をもうひとつ。福岡女子という高校に、山口百恵に似た超美人がいた。もうヤンキーの間でも一般高校生の間でも、愛称は百恵ちゃん。いつも見とれていた。
女友達の友達だったので、ときどき遊びに行くのだが、話すことはできてもなかなか告白することはできなかった。結局、あれだけナンパには慣れていても、その彼女に告白することはできなかったな。
それともうひとり。この子も美人だった。この子は高校の同級生で、工業高校だったのだが、同級生に5人の女の子がいた。
建築科にひとり、印刷科にひとり、インテリア科に3人、そのインテリア科のひとりだが、もう見るからに天使。
あの頃ちょうどアグネスラムが大流行りで、もう彼女に顔がそっくり、見るだけで癒されていた。
しかし彼女は残念ながら先輩の彼女。ああ、あれが先輩の彼女じゃなかったら、告白したんだろうか。彼女は後にその先輩と結婚した。なんともうらやましい。
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