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自叙伝「#車いすの暴れん坊」#10  ディスコ

高校1年の頃から天神や中洲にあるディスコによく通った。踊りが得意というわけ ではない。ディスコでナンパするのが目的だった。踊りながらテーブルで声をかけた りして、チークタイムのときに踊る女の子を探す。

なるべく自分の好みの可愛い子を 探してチークを踊る。そして電話番号をゲットする。よく友達4、5人と行ったものだ。

覚えている店の名前は、VO、カルチェラタン、ラジオシティー、虹の館、後はち ょっと思い出せない。ラジオシティーは服装にうるさかった。リーゼントや白いエナ メル、要はヤンキーの格好ではまず入れない。だから入るときは、大人しい服装で、髪は横分けにして入る。

だからあまりラジオシティーには行かなかった。一番多く行 っていたのは虹の館。これは同級生の親父さんがしている店で、パジャマでも入れた。

ちょうどサタデーナイトフィーバーやアバ、アラベスクなどのディスコミュージックがよくかかっていた。70年代のディスコナンバーだ。

高校2年の冬、その日も飲んで騒いで、表通りに出てみると、向こうからぞろぞろと30人くらい、いかにも悪そうな連中が、こちらに向いて歩いて来る。どっかのチームだろうと思ってシカトしていると、その中のひとりが近寄って来た。
「お前らどこのもんか」
「博多暴連坊(あばれんぼう)たい」
「博多暴連坊、知らんな」
「このへん邪悪(じゃあく)は来とらんとか、邪悪は。皆、来とらんのやね」
そう言うと、来た道を戻って行った。俺たちはディスコにスーツに山高帽という格好で来ていたので、たぶん舐められたんだろうが、それでもなにかあると思って、天神の表通りメーター道路のところに行ってみると、改造車がいっぱい止まっている。

邪悪が走りに来ていると思った。その中に知った顔がいたので、
「うしろに蝮(まむし)が来とるけど、お前らこんだけ邪悪が出て来とるなら、やればいいやんか」
とケツを煽ってみたものの、
「バカお前、こいつら皆、蝮ぞ」
結局、蝮が邪悪を見つけに久留米から遠征に来ていたようだ。

その頃、邪悪が 1500人とか、蝮が1000人とか言われていた。邪悪は福岡の暴走族の連合体で、確か13とか支部あって、それに対してまむしは久留米を中心とした暴走族でよく衝突していた。

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