【実話】二留の人(4)
[前回までのあらすじ]
二留目という暗黒大陸に足を踏み入れた私。しかし、卒論も就活も手につかず気づけばゴールデンウィークが終わっていた…
【恐怖の就活エージェント編①】
5月に入るとあっという間にゴールデンウィークが終わっていた。私はそれをひとり、ペラペラのアパートで迎えた。
そのときはもう5年も10年もそこにいるような気分で、「ああ私はずっとこのまま新潟で歳をとって死ぬんだ」という変な悟りの境地にあった。
ところがそんなことをよそに院に行った友人からは「これから最終面接」だとか「内定もらった」とかそんな話題を嫌でも聞くようになり、2年も多く就活している私がアドバイスを乞うという、周回遅れも甚だしい有り様となっていた。
そんな状態に急に突然焦りだす。無計画バンザイである。
「卒論はまだ半年もある(留年したから)。まずは内定だ」
と、またまた華麗なシフトチェンジを決めた。
そんなこんなでマイナビだとかリクナビとかを使って中小企業の営業職を片っ端から見ていく。
でも「これはしたい」とかはないので、なんとなく「これならいいかも」というものに10社ほどエントリーを終えて、大学の図書館で何とも言えぬ達成感にまどろんでいた。
その矢先、さっそく電話がかかってくる。
これ就活あるあるなのか分からないけど、就活サイトでエントリーしてると別に応募もしていない就活エージェントから電話がかかってくることがある。(6年生のときはその昨年に使った就活サイトから「社会人1年目ということで転職とかどうですか?」という電話がきた、就職してねーわ!)
今まではなんとなく無視していた私だったが、もうそのときは「働かせていただけるならどこでもいい」という感じで藁にもすがる思いで電話に出た。
「営業職を希望しています」と言うと
「新規開拓とか飛び込みもできる?」と質問が、
私は「はい、是非やらせてください」と返事。
早速その3日後にzoomで面談をすることになった。
話の前に言っておくとエージェントが全部ダメというわけではない。自己分析を手伝ってくれて、ES(履歴書)を添削して、志望分野の企業を紹介して、面接練習までしてくれるようなところにもあとで出会った。
ところがこの名前も聞いたことがないこのエージェント。お世辞にも良いとは言えないほど酷かったのでこの体験談を是非書きたいと思う。(つづく)
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