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ある日の日記

 浅い眠りからようやく目を覚ますと、日は無情にも高々と昇っていた。閉め切ったカーテンの隙間から差し込んだ日の光がベッドを照らし、毛布はわずかに熱を帯びている。 

 ゆっくりと起き上がって冷蔵庫へ歩き、2リットル容器の水を取り出す。そして無造作にそのまま飲んだ。冷たい水が、冬の乾いた喉をつたって流れ落ちるのが分かる。そのさっぱりと清らかな感触は、溶かした水晶を飲んでいるようであった。私は一時的な爽快感に包まれる。 

 少し目が覚めて、既に今日が半分終わっていたことに気づいた。そのことに後悔を馳せながら、しかし反面、自暴自棄な心持ちであった。水を飲み終えると、私は、糸を引くと動くゼンマイのオモチャのように、今度は冷蔵庫から糸の先にあるベッドのほうへゆっくりと戻る。

 体が鉛のように重い。ベッドはそんな私をやさしく迎え入れた。私にはいくつか予定があったが、しかししばらく寝ることにした。 

 そういうわけで、その日はなにもしていない。 

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