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無人島にひとつもっていくなら

 出口が見えた。心の目でのなんとも抽象的な話。しかし、付き物がボロボロと剝がれる音がする。ココでの刑務所のような時間の檻からようやく出る寸法が見えた。ただし遠足は帰るまでが遠足で、つまり出るまでが刑務所である。油断大敵。が、刑務所にしては随分楽しかった。楽しいと幸せとは違うみたいである。
I ain’t happy, I’m feeling glad. I got sunshine in a bag.
 つまりこういう感じ。僕はsunshineは持ってないけど。意味はClint Eastwoodにお任せします。とにかく口先の奴は中身を埋める努力がない。僕なら口先よりも中身が欲しいけど、そうなったら今度はまた...

 前置きが長くなりました。さて、無人島にひとつ持っていくとしたら。これよくテレビなんかで目にする定番質問だけど、たぶん面と向かっては一度も聞かれたことはない。だいたいその無人島が寒いとか暑いとかで話も変わってくるだろと、聞かれたことはないけどそれでも頭の中で用意してたりする。

 それで無人島に持っていくなら「ピストル」だと思う。とりあえず無人島についたらぐるっと辺りを散歩して、「もうダメそうだな」と頃合いを見てピストルを使って死ぬんである。正解ではないにしてもなかなかいい答えな気もする。ところが実際はたぶん死ぬに死ねずに弾がパンパンに詰まったままの銃を抱えて野垂れ死ぬ未来が見える。だいたいピストルなんて使ったことないくせに。それでこの答えなんともイタくて、ダサい臭いが半端なくて恥ずかしくて言えない。
 だからもしも「無人島にひとつ持っていくなら?」と聞かれたらこう答えるつもり

  「ん-、やっぱライターですかね」

だから本音と建前ってホントに便利。

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