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L:20 雨戸のある家

2023.01.29

先週あたりから日本にも寒気が来ていて、ニュースでは大雪を警戒と言っていた。東京に来てから雪を見ていなかったので、少しばかり楽しみにしていたのだが、今のところ、気温が氷点下にはなったものの雪は降っていない。

とんでもなく寒くなると言われていたので、夜は雨戸を閉めることにした正確には上から下に閉めるものなのでシャッターと呼ぶのだろうか。この家に引っ越してきてから初めて閉めることにした。多少は寒さをしのげるかもしれないと期待して閉めたのだが、思わぬ効用があった。

正直、寒さがしのげたのかはわからないが、珍しく朝まで目が覚めずに寝られたのだ。部屋が暗くなったからなのかとも思うが、目が覚めるのは4時、5時なので外はまだ暗い。しかも、寝る時にはアイマスクをして、窓も南向き、遮光カーテンをしているので、朝それほど光が部屋に差し込むわけではない。ただ、雨戸を閉めると、朝になっても真っ暗で今、何時かわからないぐらいに暗かった。

長く寝られたのは電車の音が少し小さくなったからかもしれない。数日、続けてみると、徐々に起床時間が遅くなってしまった(笑)それぐらい雨戸の効果は絶大だった。

私はあまり雨戸と縁のない人生を送ってきた。生まれたのは中国地方の瀬戸内側だが、家に雨戸がなかった。同じ地域に住んでいた戸建ての親戚の家でも見た覚えがない。10歳の頃、関東の戸建ての団地に引っ越した時に驚いた覚えがある。夕方5時のチャイムが鳴ると、方々からガラガラガラ、ピシャッ!という大きな音が聞こえて、何事かと思ったら雨戸を閉める音だった。

当時、引っ越した家にも雨戸があって、いつの間にか私が雨戸を閉める役目になっていた。滑りが悪く、触ると手が汚れるし、材質的に爪が当たると、黒板をキーとひっかくような、あの感触がして、苦手だった記憶が残っている。

その後、いろいろ住居を変えたが、関西に住んでいる時には雨戸をあまり見ていない気がしている。雨戸が標準装備の地方とそうでない地方があるのかなと思ったが、ネットで調べる限り、地域性があるという人は大体、否定されていてた

東京に来てから夕方、近所を散歩していると、やはり雨戸を閉めているところに出くわす。これが、なんとも寂しくなる。ピシャッと通りすがりに閉められると、疎外感というと大袈裟だけど、あなたはよその人です!と言われている気分になる(実際によその人なのだが)。

自分の家の雨戸を閉めてみると妙な安心感に包まれることに気づいた。これで絶対に外から見られないんだな〜と(笑)もちろん、いつも窓の鍵は閉めているし、カーテンもしている。何もやましいことをしているわけではないのだけど、巣穴的な安心感がある。もうしばらく、雨戸生活を続けてみようと思う。

*noteに雨戸の写真がなかったので、家の雨戸(シャッター)の写真を使用。

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駄々こね太/ Essayist
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