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Y:87 私の車窓

2023.5.27

私は免許はあるけど、運転はしていないし、車に乗っても助手席に乗ることが少ない。実家の車の助手席は犬仕様になっていて、私は後部座席に乗る。

私の車窓はだいたい後部座席からの車窓だ。他の人はどうだかわからないが、後部座席では正面を見るというよりは、側面の窓から外を見ることがほとんどだ。電車やバスに乗った時と同じだ。

車窓と一言で言っても、運転席・助手席からの車窓と、後部座席の側面の車窓というのは、ずいぶん違う

正面の車窓からは、遠から近への流れがある。遠くに小さく見えていたものが徐々に近く大きくなっていくのが基本的だ。情報が徐々に鮮明になっていくとも言える。

それに比べて側面の車窓は右から左、左から右の流れだ。見える景色の大きさは一定だが、手前の風景というのはあっという間に流れていく。速度によっては、明確な情報としてとらえきれない。

となると、運転席の車窓からと後部座席の車窓から得る情報というのは、同じ移動をしていても全く異なる。

運転しないと道の名前を覚えないというのもこれに近いことかもしれない。側面の車窓からは、標識や交通情報というのはあまり見えないだろう。私はどこに住んでも道の名前を覚えていない。

後部座席、または電車やバスで、情報としてとらえきれないようなシャーッとした感じをぼ〜っと見ることはできても、運転席や助手席では難しそうだ。

子どもの頃、後部座席で寝転んで、いつまでもついてくる月を眺めるのが好きだったことを思い出した。

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駄々こね太/ Essayist
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