ロックダウン緩和で10人限定で交流せよというソーシャルバブル(social bubble)
BBCの記事Coronavirus: PM to review lockdown restrictions with cabinetに出てきた「social bubble」というワード。
bubbleは、泡とかあぶくとかシャボンの意味がパッと思い浮かぶが、薄い保護膜みたいなイメージもあって、大統領のリムジンを覆う護衛シールドなんかもbubbleと言うらしい。
Sorry to burst your bubble.で、「おまえの夢(思い込み)を壊して悪かったな」。
これも、「薄い膜で覆われた小さな何か」というイメージだろう。
「social bubble」は、どう訳すといいのだろう。「社会的な保護膜」だとピンとこない。
上記記事だと、
She has unveiled a paper on the options being considered - including relaxing rules on daily exercise or allowing people to meet with a small social "bubble".
と使われている。
「日々のルールを緩和したり、人々が小さなソーシャルバブルで会うことを許す」。
「social bubble」で検索すると、
CNNのWant to join my bubble? This is what your future social life could look likeという記事が見つかる。
The Belgian government has reportedly been considering allowing people to form "social bubbles" of 10 people
「ベルギー政府は、10人のソーシャルバブルから人が会うことを検討している」
10人のソーシャルバブル?
The Guardianの記事は、How will we choose 10 people for our social bubble – without falling out with everyone?
The idea is that the end of lockdown would start with everyone being allowed to socialise once a week, in groups of up to 10 (although it would always have to be the same group).
「週に一度、10人までのグループ(ただし、常に同じグループでなければならない)で社交することができるアイデア」が social bubbleのpolicyだ、と。
10人の交流グループに入れるかどうかで、なかなか厳しい状況が生み出されるヤツだ。ゲーム的設定漫画にありそうな、ディストピア的な設定である。
意味だけを取れば、「社会的交友」(social bubble)と訳したくなるが、保護膜のイメージが消えちゃうので「A.T.フィールド」と訳すことを提案します。
追記。
鴻巣さんからツイートで教えてもらった。
元は「自分が安泰に過ごせる生活範囲」 の様な意味で、そこを出てみる=「自分の殻を破る良い経験」のニュアンスが、コロナ禍で違うニュアンスになってしまった、と。
おお、言葉は生き物だなー。
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