思いつきに頼らない発想法は、アイデアの果樹園を脳内に育てるのだ
「どうやったらそんなアイデアがでるんですか」「どうすれば発想できるんですか」とインタビュー等でたびたび聞かれる。答えに窮する。「どういうときにアイデアがひらめきますか」「どこで発想しますか」「どうやってアイデアを出すのですか」という質問も言葉に詰まる。誠実に答えると「期待と違った」という表情をされちゃうので、工夫して面白く答えたりすることもある。
いつでも、どこでも、なにをしていても、アイデアは出る。
この感覚をどう伝えればいいのか。
おいしい果実をつくっている人に「どうやったらそんな美味しい果実がでるんですか」と聞いているようなものだ、とでも言うべきか。
いろいろ聞いてみると、アイデアを「いい思いつき」や「ひらめき」ぐらいに捉えているのだ。もちろん、「いい思いつき」がひょんなことから出てくるケースはある。「ひらめいた!」という瞬間もある。
だが「思いつき」や「ひらめき」はボーナスみたいなものだ。ボーナスに頼っていてはいけない。
すごいアイデアの出し方のノウハウはある。だが、それは結局「モノゴトをどう考えるか」というノウハウと同じになってくる。
「モノゴトをどう考えるか」という基本的な方法論が身につけば、脳内にアイデアの果樹園ができる。
それは「ひらめき!」のような一瞬のイナズマではない。日々の地道な営為だ。
日々考え、日々考えを手入れし、日々を考えを育てる。それを繰り返しているうちに、脳内にアイデアの果樹園ができる。
こう書くと、一足飛びに何かを欲する人は「めんどうだ」と考えるだろう。だが、「日々考え、日々考えを手入れし、日々考えを育てる」というのは、その習慣が身につけば、なんのことはない。「考えて、手入れして、育てる」ことが日々の楽しい当たり前になる。
脳内にアイデアの果樹園ができている人は、「アイデアが出なくて困る」といことがない。それどころか「思いつき」や「ひらめき」のボーナスがもらえる頻度もあがる。
アイデアの果樹園は「思いつき」や「ひらめき」が生み出される豊かな土壌になるのだ。
「どうやってアイデアを出すのですか」という質問に誠実に答えれば「ずっと考え続けて構築したもののポイントを後からアイデアと呼んでいます」だろう。
日々の生活のなかで、「考え、考えを手入れし、考えを育てる」は、どうすれば可能になるのか。「モノゴトをどう考えるか」という基本的な方法論を習得するにはどうすればいいのか。
自転車の乗り方を習得するときに理屈や文章で学ぶよりも、教わりながら実際にやってみようとするほうが近道だ。
ゲーム的な発想法を身につける「ゲームづくり道場」と、プロの編集ライター講座を目指す人を対象にした「宣伝会議・編集ライター養成講座 米光クラス」の新シーズンがスタートする。
どちらも、ほぼ半年間。
その間に「考え、考えを手入れし、考えを育てる」を実際に体験してもらい、習慣化する。
自転車に乗れるようになれば、すいすい気持ちよく乗りこなせるようになる。乗れなかったことが不思議に思えるようになる。
それと同じ感覚で、「考え、考えを手入れし、考えを育てる」ことが日々の楽しい当たり前になれば、アイデアの果樹園が脳内に生まれるのだ。
以下は、関連することをあれこれ徒然に書く。
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