技術士機械系第二次試験 Ⅱ-1 -工程能力
この試験では、専門的学識、コミュニケーションが評価される。そのうちの前者「専門的学識」についてアピールするものとして以下を記す。
0. 前提知識
工程能力(Process Capability Index)とは
製造業における品質管理の道具の一つ。
ある工程の持つ生産性、生産能力、これらを指標化するものにCpやCpkがある。これにより工程能力を数値化して管理する。
1. Cp:
異なる工場内の製造ラインの優劣や同一ラインの作業者間での優劣を比較するためのもの。
算出方法は、重要品質特性の企画幅を6σで割った値となる。規格外としてNGになる製品が少なければよいので、この値が大きければ効率も品質もよいと定量的に判断できる。一般的に、1.33
ここでいう重要品質特性(CTQ: Critical To Quality)とは、製造物の品質に最も影響を与える要因のことである。例えば組み込むことができなくなるので「長さ」が第一であると考える場合もあれば、電子機能が損なわれる「抵抗値」などが挙がる。
企画幅の6σを、「規格幅」と「標準偏差」の二点で説明する。
製造業では、各品質特性に対して厳密に同じ値のものを量産することは不可能であり、許容できる範囲を設定する必要がある。その範囲を「規格幅」と呼ぶ。その範囲に入っていたとしても、量産してどのようなばらつきで生産されているかも重要な視点になる。その製造ラインの保証できるばらつきは標準偏差で評価し、その6σがこの企画幅に対して広ければ性能は悪く、狭ければ性能は良いと言える。
2. Cpk:
Cpに対して、平均値がどこにあるのかを考えるためのもの。
量産から作成した管理図から、平均値と中央値がずれていることが普通であるが、それがどれだけ離れているのか。
式は、中央値と規格の上下限値の差をそれぞれ求めて得る。片側での計算なので、分母は3σである。
得られた値が小さいものに注目することで、平均値と中央値のずれを検討することになる。
3. 例題
工程能力について説明し、設計段階における活用方法について述べよ。(600字以内)
思考とメモ
工程能力とは何かの説明で100字程度を見積もる。設計での視点を一つ100字でタイトルとして挙げる。メタルの板厚管理を挙げることにする。そこでのキーワード(規格幅、標準偏差、シューハート管理図、3σ法)を盛り込みながら具体的な設計業務での活用方法(規格幅での設計上の検討、中央値をコントロールすることでの効果)を400字程度。最後に―以上ーを忘れないこと。以上の思考とメモに5分。
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