とあるさまーない

彼の情報網も、それなりにあったようだ。
年の近しい人間、以前関わった先輩方、会社が出しているフォーマット、とりあえず戦える材料はそろった。
さて、そろそろ書き始めるようだ。

「求められる像への視点が...この年次で求められるレベルが…今の自分が…」

整理はできてきたが、致命的な点がある。

彼は、異動してきたばかりであったのだ。年齢はあるが、知見はない。社会人としての視点に立脚するしかない。
さて困った。できないことを言っても自分の首を絞めるだけだ。こういう時にはゴールから逆算してステップを細かくしていくのが定石なのだが、それも一筋縄ではいかない。

その異動する前の出来事は、ここで彼に巻き起こるトラブル、冒頭の遅刻につながるまでの流れを記し終わってからにしよう。

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