SIMAと言う聖地

東京は五反田。

数年前までこの地にあった『SIMAスポーツ』。SIMAの社長が我師匠である“豊嶋裕司”御大。この業界では知らない人はいない御方。日本のマスク職人の第一人者で、マスクだけでなくコスチュームからシューズ、チャンピオンベルトなど何でも作ってしまう。

格闘技関係に関わらずミシンに乗れば師匠には出来ないものはありません。ご実家が縫製屋さんで10代の頃から工業用ミシンに乗って、時にはドイツ軍の軍服風味のツナギを作りバイクに乗っていたという。

SIMAに弟子入りした20年前。
だいたい月イチペースで五反田に行き、基本的に一杯やりつつガチャガチャ話して、スロット行って、会社に戻ってまたガチャガチャ話して夜中に帰るというパターン。
『よねさん、俺もう51(歳)だぜぇ』と爆笑しながら8割が今後の展開を含めつつの馬鹿話、1割がもろもろの打ち合わせ、残りの1割が仕事の話(笑)

そんな師匠も数年前に五反田を撤収し、川崎のご自宅に戻られマイペースで製作活動をされている。

『よねさん、俺もう70(歳)だよ』
と電話越しに師匠が微笑する。