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造型を考える~マスク編~⑤

造型を考える~マスク編~シリーズも第5弾となりました。
今回はリアルな模写を追及したと言う意味で個人的にはNo.1だと思っている1枚のお話を掘り下げてみようと思います。

スズメバチ

スズメバチの顔って造型としてめちゃめちゃカッコいいと思っていました。スズメバチと言ってもいくつか亜種があるようですが、やはりオオスズメバチの顔がシャープで力強くイケメンな印象。これをマスクにしてみようとプロジェクト始動。

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複眼周りの造型

実際の複眼自体はキレイな楕円形なのでしょうけど、眉間あたりの角のような突起越しに複眼を見るので複眼自体が瓢箪型のような形に見えなくもない。
と言うことで複眼の造型は瓢箪型にすることにしました。この複眼のフォルムでスズメバチらしさが大きく変わってしまうので大事なポイントです。
顔面部のオレンジ色の生地とほぼ同じニュアンスのオレンジエナメル革があったのも功を奏しました。

3つの単眼

単眼に関しては丸く抜いた革を縫い付けても良いし、逆に抜きで下地に黒の生地や革を敷いても良い。
が、今回は少し不気味(冷たそう)な単眼の輝きを表現したかったので黒ニッケルのカシメを打ち付けてみることにしました。

大顎

今回の造型で一番のポイントとなったのが上唇と大顎の造型をどう表現するか?でした。
人で言えば鼻周りの部分なのでいつもの事ながらのっぺりした造型を当てはめにくいポジション。

色々イメージした挙げ句に、立体造型の手法で少し斜めに顔造型を構築することでのっぺり感を表現することに。そして少し小細工して顎の爪と毛をイメージとして表現。
後になってチラッと目にした事なのですが、生物学的にこの上唇と大顎の構造特徴は亜種の中で判断基準となる違いがあるのかもしれないので詳しい方には「これはオオスズメバチじゃないよ」と言われるかもしれませんw


触覚

触覚に関してはやはり特徴的なポイントであるので、雰囲気を出しつつ、動きが欲しかったので根元部分(オレンジパーツ)と先端部分(黒パーツ)を分けて作り合わせる事に。

特に根元部分に関しては本物の触角の同じ部分の力強さを表現したかったので何パターンか型紙を作っては組んでみて修正をしました。先の部分は本来の造型とは異なりあくまでイメージ優先で動きの出る形に仕上げた感じです。取り付けは最下部のみ横にステッチがけをし、単眼で使用した黒ニッケルのカシメを打って固定しました。これによって“しなり感”を作り出すことが出来ました。
が、本当は単眼のと区別するためにオレンジ色のカシメがあればベストだったなと...。

こんな仕上がりに

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いかがでしょうか?
スズメバチだ!と思って頂ければ嬉しい限りです。

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