● クロスカントリー:ソアリング特別編
皆様、お疲れ様です。
よねけんです。
今回は特別編としてソアリング1~3に出てきたソアリングを技術的に詳しく説明します。なお、出来るだけ詳しく説明するため、獅子吼高原の地形を使って説明します。
これは有料記事です。
関連記事:クロスカントリー:ソアリング1 (無料記事)
クロスカントリー:ソアリング2 (無料記事)
クロスカントリー:ソアリング3 (無料記事)
題名がクロスカントリーから始まっている記事は自分と同じレベルのパラフライヤーを対象としており、マニアックでガチな内容です。
ご承知おきください。
実は対気速度が重要
ソアリングの目的は高度を稼ぐことです。そのため、グライダーを上昇気流に乗せて上昇をしなくてはならないのですが、この時グライダーの対気速度が重要になります。「8の字旋回」や「フラットで小さい旋回」を理解する上でも大事な点になります。
対気速度と沈下率
ここでポーラカーブを見てみましょう。まぁ、そう嫌がらずに・・・です。
NPやパイロットの筆記試験に出てくるポーラカーブですが、問題としては(対気)最良滑空比を求めたり、風の影響を踏まえた対地滑空比を求めたりすることをやりますね。このポーラカーブの表の青い〇部分を見てください。この部分はグライダーの沈下率が一番小さい最小沈下率のポイントです。空中に出来るだけ滞空することを目的とすれば、この対気速度で飛ぶのが一番です。簡単な計算をしてみましょう。
<滑空条件>
フルグライドの沈下率 :1.2m/s
最小沈下率 :0.8m/s
<サーマル条件>
4.0m/s
<上昇率の結果>
フルグライドの沈下率
4.0 - 1.2 = 2.8m/s
最小沈下率
4.0 - 0.8 = 3.2m/s
つまり、同じサーマルを捉えても最小沈下率で飛べば0.4m/sの差が出ます。もし、1分間、つまり60秒サーマルをしたとしたら、24mより高く上がれることになります。3分も継続できれば72mの差になります。
対気速度とバンク
このほかに上昇率を悪化させる要因に旋回時のバンクがあります。パラグライダーのバンクは旋回の回転半径とその速度により決まります。(※1)
【投影面積の問題】
バンクを付けるとグライダーを真上、あるいは真下から見た投影面積は小さくなります。上昇気流が真下からグライダーにあたっていると考えると投影面積が小さくなるということは上昇気流を捉える面積が減ってしまうため効率が落ちてしまいます。(図のSとS’の関係)
【揚力の問題】
固定翼の航空機は主翼で揚力を生み出しています。しかし、揚力は機体の真上方向に働きます。バンクが発生すると揚力は重力が働く鉛直方向と旋回する側の向心力の二つの力に分力されます。このため、重力の働く鉛直方向と反対に揚力はバンク角度の分、小さくなります。このため上昇率が悪くなります。(図のGとLvの関係 LvはLよりも小さい)
ソアリングにおける効率の良い飛び方とは
上記の点を踏まえて考えるとソアリングにおける効率の良い飛び方とは次のようになります。
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