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夏の憂鬱。

秋の気配を肌で感じる。

最近は人が密集する都会よりも、自然を求めて地方に出かける人たちが増えていて、田舎も都会さながらの密になる場所も増えてきた。


それはそうと。

この時期になるとSNSで夏の思い出を投稿する記事をよく見かける。

やはりみんな自然が好きで、山や川を楽しむ人がたくさんいる。もういちど人間の原点に戻って、野性的な感覚を取り戻すかのように、本能のまま自然の恵みを五感で堪能している。


広大な山の中を分け入ってみると、何十年もかけて育った神秘的な木々との出会いがあり、山のふもとに戻ると、湧き水で育った自然栽培の野菜や果物が収穫できる。小川のせせらぎや虫の鳴き声、風の音という、リアルアンビエント音楽が流れていて、その傍らで火を囲み宴が始まる。

昼間収穫した新鮮な野菜はみずみずしく、焼かずにそのまま食べると大地の風味を全身で感じることができる。自ら川に潜って捕まえた川魚たちは格別に美味い。そこに、猟師たちが捕まえた猪や鹿のジビエ料理や平飼い地鶏の肉料理。そして、空を見上げると満天の星々。

投稿画像を見ているだけでもため息が出るぐらい魅力的で、食欲もわいてくるし、なによりも“ストレスフリー”を感じることができる。


さてそこでやはり気になるのは、そこに登場するお酒。

お酒は人とのコミュニケーションを深める大切な役割もあり、季節によって、場所によって、いろんな飲み方があって、選ばれる銘柄も変化していく。

大自然とのペアリングに選ばれしお酒は、はたして。。。

わくわく、どきどき、あれかな?これかな?

みんな何を飲んでるの。。。


ん?


・・・


画面を拡大した右手の人差し指と中指が、Vの形で大きく開いたまま、言葉を失ってしまった。



コンビニのお酒がどうこうではなく。


いや、そこはさー。

いやいやいやいや。


すごく寂しい気持ちと、モヤっと感。


考えさせられた。


お酒はどのポジションにいるのだろう。

付属品か。ツールか。無意識か。


選べないの?

選ばないの?

選んでるの?

選んでそれ?


大きな課題を突き付けられた気分になった。

さっきまで、セロトニンの分泌音さえ心地よく聞き取ることができていた“ストレスフリー”脳から一変、けたたましく流れるノルアドレナリンの轟音が否応もなく一気に脳中に響き渡った。


なんだかお酒の業界だけ取り残されてる感を痛烈に感じた夏の終わり。


秋の気配が心の中にもやってきたようだ。

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