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新年早々、亜樹さんに会いに行った♪


桶川は思ったより近かった

    すっかり恒例と化してしまった、麻雀プロのパチンコ店イベントへの参加だが、2025年の初回は「卓上の舞姫」二階堂亜樹プロと相成った。
   場所は「新ガーデン桶川店」である。調べてみると、川向うの埼玉県だが、同じ県内の前橋、高崎より近いらしい。らしいというのは、確証が今ひとつ持てないという、僕の心情を表している。
   いざ、車を走らせてみると本当に近かった。正月休みで、道路の交通量が少ないこともあるが、僅か45分で現地に到着した。新ガーデン桶川店は、複合商業施設の一角に在った。初めての店舗形態で、その雑多な様子に一抹の違和感を感じた。

建物の連なりに、スーパーマーケット、洋服店、フィットネスジム等が混在していた。ガーデン専用の立体駐車場もあった。
新ガーデン桶川店の入口
亜樹プロ来店の外看板

   亜樹プロの所在は、入店してすぐに判った。何故なら、ご丁寧に亜樹プロの居る場所を示す看板が出ていたからである。店によって、ゲストに対する様々な対応の仕方が、まちまちなのが興味深かった。

亜樹プロはこの看板の6メートル先の台で遊戯をされていた

新ガーデン桶川店の会員になった

  会員カードを発行すると、台移動がスムーズ、余った玉やメダルをキープ出来て次回来店時に使える、という張り紙を店内で見つけた。この店は今後も訪れる予感があったので、会員になることにした。
    景品交換所にいるお姉さんに話しかけて、会員登録をしてもらった。カードの使い方等、一通り必要事項を聞いた後、最後の質問をした。『亜樹プロのイベントはどこで行われるのですか?』
    お姉さんは「ここです」と、景品交換所の前の通路を指差した。なるほど、広めの通路なので、行列が出来ても他のお客さんの邪魔にならない。また、スロットが景品所の前に配置されているので、パチンコの玉の騒音も気にならない。入店した時に、店内を一周したが、イベント会場として、ベストのロケーションであることは間違いない。

亜樹プロに魅せられた店員さん

  僕が亜樹プロの目当ての来店客だと悟った店員のお姉さんは、亜樹プロへの賛辞を語り始めた。
 
「亜樹さんはこのお店に、何度もゲストとしていらしています。とても気さくな方で、私にも色々と話かけてくれて、すっかりファンになってしまいました。亜樹さんのファンになった影響で、アプリで麻雀も始めました。まだ勉強中の段階ですが、麻雀はとても奥が深いゲームですね」

『亜樹さんの年齢はご存知ですか?』僕はひとり語りを続ける彼女に問いかけた。
「はい。勿論知ってます。全然 実年齢よりお若く見えます。20代で通用しますよね。本当にお綺麗で、素敵な方です♪」
   店員のお姉さんが、亜樹プロのことを心から好きであることが、良く解った。亜樹プロのことを、もっと語りたそうなお姉さんをやんわりと制止し、麻雀格闘倶楽部のスロットの場所まで案内してもらった。
   目的の台までの短い移動時間の中で、麻雀の経験が全く無い女性をも虜にしてしまう、二階堂亜樹という唯一無二の麻雀プロの存在について思いを馳せた。

二階堂姉妹の麻雀業界における功績

   現在、麻雀業界は、じわじわと活況を帯びている。その最大の要因は2018年に発足した「Mリーグ」の存在である。一般社団法人Мリーグ機構を立ち上げた藤田晋氏の功績は、麻雀業界において計り知れない。それは、国内の麻雀に関わる全ての人の共通認識でもある。ただ、Мリーグが誕生する前の20数年間、危ういバランスの上にあった麻雀業界を支えてきた功労者のひとり・・ではなく、一組が二階堂姉妹である。
   亜樹がプロデビューしたのが1999年、この時若干18歳。遅れて1年後、妹の亜樹に触発されて、瑠美がプロ入りした。
    初めて世に出たと云える麻雀の女流プロは、自分が知る限りでは浦田和子プロである。その次は清水香織プロだろうか?当時の不安定で不確かな麻雀業界を発展させるために、様々なビジネスを企画、運営、展開したのが、昨年他界した馬場裕一氏が立ち上げた「バビロン」だった。そして、二階堂姉妹の活躍を後押ししたのが、馬場裕一氏であり、バビロンであった。バビロンの推薦により、スカパーのモンドTVの麻雀番組に出演した二階堂亜樹プロは、テレビ映像という媒体を通して、一躍注目を浴びる存在となった。
    二階堂姉妹以前に世に出た女流麻雀プロと、二階堂姉妹の差は何か?一言で言えば、スター性である。別の言葉で補足するなら、彼女達は他の女流麻雀プロと一線を画するルックスを、天から与えられていた。勿論、麻雀の実力、センスも申し分なかった。

    二階堂姉妹のビジュアル、明るく親しみやすいキャラクターが、女性や若い世代の麻雀プレイヤーといった新たなファン層を増やすことになった。更には、二階堂姉妹の活躍の影響で、あるいは彼女達に憧れて、麻雀プロを目指す女性が、最初は徐々に、そして、加速して増えたのである。20年前は数える位しかいなかった女流の麻雀プロが、今や数え切れないくらい存在している。

   特筆すべきは、二階堂亜樹プロの半生を画いた映画が、制作されたということである。様々な分野でトップスターはいるが、その半生が映画化されたのは、フレディ・マーキュリーの「ボヘミアン・ラプソディ」と二階堂亜樹の「女流闘牌伝  aki−アキ−」しか僕は知らない。

(監督)中村祐太郎  (原作)花崎圭司・大崎  充  (主演)岡本夏美  2017年公開

   Amazonプライムビデオで、会員なら無料で観られるので、機会があったら観て頂きたい。二階堂亜樹プロご本人も、カメオ出演している。

イベントまでの一時間

  イベントまで一時間。いつものようにパチスロ「麻雀格闘倶楽部」と戯れ、昼食をとって過ごす予定を組んだ。

麻雀格闘倶楽部 覚
上家:滝沢和典プロ、下家:亜樹プロ、対家:伊達朱里紗プロ

   麻雀格闘倶楽部は「覚」という機種のスロット。10分足らずで1,000円を溶かした。パチスロ内で亜樹プロと同卓できたのは、出来過ぎである。もしくは、店側で予め、そういう設定にしたのか?
    新ガーデン桶川店には、店内で食事をする場所がない。店外に出て歩くこと30秒、ラーメン屋を発見した。迷わず入店し、昼食を済ませた。

ラーメンに味玉トッピング(店の名前は失念した)

  昼食を済ませた後は、noteの執筆で時間を潰した。屋外の花壇のレンガに座って、スマホに文字を打ち込む作業は、冬空の下ではあったが、天気が良かったせいか、意外と爽快だった。作業に熱中し過ぎて、気が付くとイベント開始時刻を2分過ぎていた。

亜樹さんの素晴らしき観察力と記憶力

  会場には既に20人近くのファンが並んでいた。最後尾について、じっと順番を待った。待っている間、僕の前に並んだ男性と世間話をした。彼はパチンコライターをメインに、埼玉県および北関東のパチンコ店を廻ってゲストと写真を撮るのが趣味らしい。麻雀は全く知らないが、亜樹プロが可愛いので、過去に1回写真を撮ったことがあり、その写真を披露してくれた。彼の番が回って来た。彼は亜樹プロと一言二言  言葉を交わし、写真を撮った後に、亜樹プロと握手をして去っていった。思ったより回転は良い。30分経たないうちに、僕の順番が回ってきた。

  僕の亜樹プロへの第一声は『握手OKなんですか?』だった。亜樹プロは「勿論OKですよ。ただ、コロナ禍に入ってから、握手される方は減りましたね」
    なるほど・・と思いつつ、まずは手土産を手渡した。例によって、群馬名物の「焼きまんじゅう」である。袋の中を覗き込んだ亜樹さんは、「あっ、ぐんまちゃんだ!」とパッケージに描いてあるキャラクターの名を呼んだ。(ぐんまちゃんを知らない方は、僕のnoteのアイコンをご覧ください)
   『実はこの前、同じ物を瑠美さんにも渡したのですよ』と言うと、亜樹プロは「どおりで、見たことあると思った」と仰った。どうやら、ファンからのプレゼントは、姉妹で共有しているらい。プチ発見であった。
   そして、瑠美プロと同様に、お二人が若い頃のトレカを見せた。(19年ぶりに瑠美さんに会いに行った♪【後編】 参照)姉妹の反応は異なった。瑠美プロは「これ、貰っていいんですか?」とボケをかましたが、亜樹プロは「これ20年以上前のカードですね。懐かしいなぁ」という至極真っ当な言葉を発した。
     次に僕がBEASTXのプロアマ大会で優勝した時の、出場者の集合写真(A4サイズに印刷したもの)を見せて反応を伺った。亜樹プロは「ここは、〇ル〇ー〇ですね」と、まずは会場の場所を的中させた。「あ、藍子ちゃんのサインがある」と、薄いゴルードで書かれた見にくい日向プロのサインを目聡く発見した。「この写真の中に藍子ちゃんはいませんよね?・・・それにしても、凄い面子ですね」と亜樹プロは仰った。亜樹プロは卓上の河を俯瞰して眺めるが如く、その写真をじっくり見た後、僕の元へ写真を返した。

卓上の舞姫は・・・

   次にサインをお願いした。亜樹プロはテーブルも何も無いイベント会場という名の通路で、立ったまま、器用にサインを書き上げた。店にはゲストのために、テーブル1つ用意するくらいの配慮が欲しい。ゲストなのに、こんな扱いを受ける亜樹さんが何となく不憫であった。

不安定な場所でサインを書いたが、字体はしっかりしている

   いよいよ、亜樹さんとの会話が始まった。会話を長続きさせる秘訣は、質問を浴びせ続けることである。

『僕が、亜樹さんを初めて生で見たのは、数年前の「ノーマーク爆牌党」の映画DVD化イベント会場なのですが、そのイベントって覚えてますか?』

亜樹プロ「え?・・・覚えてません。。」
  昨年、高宮まりプロに同じ質問をしたが、高宮プロはこのイベントを覚えていた。高宮プロはこのイベントが彼女にとって印象に残るものだったのだろうか?一方、亜樹プロは、沢山のイベントに呼ばれていたため、そのうちのひとつに過ぎない過去のイベントの記憶は、忘却の彼方なのだろう。

『風林火山以外で、仲の良いMリーガーは誰ですか?』

亜樹プロ『ショウ・マツですね。プライベートでも良く遊んでますよ』

    麻雀ファンには説明不要だが、ショウ・マツとは渋谷ABEMASの白鳥  翔プロと松本吉弘プロのことである。これも意外な応えであった。二人とも亜樹プロより年下でしかも異性である。亜樹プロは中田花奈プロをはじめとする、若手の女流プロの憧れの的であり、目標とするレジェンドという存在だが、意外と男友達も多いのかもしれない。
    白鳥プロは、二階堂姉妹の存在によって、麻雀プロを志したことを公言している。なので、現在の亜樹プロとの交友関係は、プロデビュー前には想像すらしていなかった、幸せな境遇にいるということだ。

『苦手なМリーガーっていますか?』

    瑠美プロは「特にいません」と応えた。妹の亜樹プロの応えは如何に?

亜樹プロ「ソノケンとたろうさんですね。ドリブンズは苦手です」

  「その気持ち、解ります。あの二人の仕掛けは異常ですからね」と僕は亜樹プロに同調する言葉を返した。
    ソノケンとは、赤坂ドリブンズの園田 賢プロのことであり、たろうさんとは、同じくドリブンズの鈴木たろうプロのことである。僕も約1年前に園田プロと同卓したことがある。園田プロの上家に座ったので、やりずらい事この上なかった。園田プロの仕掛けが入ると、打牌には非常に気を遣って、普段通りの麻雀が打てなくなる。
    亜樹プロの麻雀は、オーソドックスな麻雀スタイルである(と思う)。面前高打点を狙い、牌効率と守備を重視する麻雀であり、園田プロとたろうプロの現代麻雀戦術とは、対極に位置する。

『Мリーグトレカをやってますか?』

亜樹プロ「やっていません」

  そりゃそうだろうと思いつつ、『竹内元太プロが亜樹さんのМリーグトレカを集めているのは、知っていますか?』と訊くと、亜樹さんから意外な回答が返って来た。

亜樹プロ『この前、ご本人から伺いました。選手ランキングで3位になったと仰ってました。本当にありがたい話で・・』

   ”ありがたい”という言葉は、亜樹プロの優しさと謙虚さを表している。
    最高位を2連覇していた竹内プロが、2025年1月1日にABEMAで放映された第49期最高位決定戦で、タイトルを失冠した原因のひとつが、亜樹さんのМリーガートレカ集めに時間を費やしたことであることを、僕はここで知ってしまった。( ̄ー ̄)ニヤリ

  「後の方がお待ちなので、そろそろ・・・」とイベントを仕切る店員さんからタイムアップを告げられた。まだまだお話をしたいことがあったが断念し、ワンショット写真を撮り、2ショット写真を撮ってもらって、亜樹プロとお別れをした。
    亜樹プロの最後の言葉は「またいつか、何処かで・・♪」だった。奇しくも、高宮まりプロが、パチンコ店イベントの最後に発した台詞と同じだった。もしかして、女流の麻雀プロが、パチンコ店イベントで用いる定型の挨拶かもしれない。

お洒落で美しい亜樹プロ
BEASTXのパーカーとビート君のリストバンドを身に着けて

  ・・・最高の女流麻雀プロだった

   新ガーデン桶川店の店員のお姉さんが、亜樹プロにぞっこんになった理由を、ご本人と少しの時間ではあるが、お話をして理解することが出来た。
    彼女は麻雀界の女流プロの中で、実力、人気、キャリア共にNo.1なのに、偉ぶったところが1ミリも無かった。初対面の僕に、本当に気さくに話をしてくれた。

   若い頃、二階堂姉妹は小島武夫プロと共に、全国の麻雀イベントを巡ったそうだ。旅の道中で、小島プロから学んだことは、麻雀の技術的なことでなく、「ファンを大事にしなさい」と、いうことだった。ファンがあってこその麻雀プロだという教えを、繰り返し教えてもらったと、亜樹プロが述懐している記事を読んだことがある。
   亜樹プロは、若い時に学んだその教えを忘れることなく、ごく自然に体現していた。

  翌日は正月明けのMリーグ2025年の初試合だった。
EX風林火山からは、二階堂亜樹プロが登板し、連闘して連勝を飾った。低迷していた亜樹プロの個人成績も、この試合で大きくジャンプアップした。
    Mリーグスタジオで勝利者インタビューを受ける亜樹プロは、パチンコ店に居る時よりも、一層輝いて見えた。そう言えば、猿川プロもパチンコ店ゲストの次の試合でトップを取ったなぁ。そんな事を考えていたら、昨日のイベントで、亜樹プロと握手をして貰うことを忘れてしまった事を思い出した。

    2月10日のMリーグプレミアムナイトで、亜樹プロに会えたら、パチンコ店イベントで忘れ物となった、握手をして貰えるのだろうか?

(終わり)

  

   








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