BEASTスポンサーへの道②【破 其之壱】
ドラフト指名オーディション
BEASTが開催したドラフト指名オーディションは、誕生したばかりのチームの認知度を上げることに寄与し、世間とMリーグファンに対しても、大きな話題の提供となった。
オーディションによるドラフトの選手指名選考は、EX風林火山が先駆者である。しかしながら、放送対局が限られていたことに加え、開始から終了までかなり長い期間を要したため、Abemaで何度か観たはずなのだが、 ハイライト映像的な一場面と、松ヶ瀬プロが勝ったという結果しか記憶に残っていない。
それと、好対照なのがBEASTのオーディションだ。応募から締め切り、更にはオーディションの終了までの期間が短かく、慌ただしいというより、テンポが速かったという表現が正しい。応募者に自己PR動画を、SNSに上げることを義務付けるという手法も画期的だった。応募があった175名のプロの中から、チームの公募基準を満たした8名を候補者として選抜。更にはオーナー企業がテレビ放送局を持っているという強みを活かし、選抜した8名のプロの発表を、自社で特別番組を組み、生放送でオンエアーした。この番組は、開局以来 最高の視聴率を叩き出したらしい。
以下がその8名である。
竹内元太プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)
『自団体の頂点である最高位であり、同年連覇を果たしたトッププロの一人である。Мリーグの解説に登場し、スベるダジャレを連発するが、自分ではスベっているという自覚が無いという、強いメンタルの持ち主でもある。2024年1月、最高位戦フェスに息子と2人で参加したが、会場に居て当たり前と思っていた、竹内最高位と新津代表の姿を見られなかったことが、唯一の心残りだった。このnoteを主催者の方(2024年は浅井裕介プロが責任者)が万一ご覧になっていたら、来年は是非このお二方を呼んでほしい。なんといっても、最高位戦フェスなのだから』
浅井堂岐プロ(日本プロ麻雀協会)
『オーディション当時は、自団体のトップである雀王。タイトルを手中にした雀王位決定戦では、初出場にも関わらず、Mリーガー3人を蹴散らすという勝負強さを持つ。サラリーマンとの二足の草鞋で、麻雀プロとしてこれだけの結果を残している事は、賞賛に値する。浅井堂岐プロが、利根川を挟んで僕の地元の隣りに在る、熊谷市の県立熊谷高校出身という経歴を知り、一気に親近感を覚えた。熊谷高校は埼玉県内で、浦和高校、春日部高校に次ぐ有数の公立の進学校である。僕の中学時代の剣道部のU先輩は、地元群馬の高校へ進学せず、熊谷高校に越境入学し、見事 東大に合格した』
宮内こずえプロ(日本プロ麻雀連盟)
『二階堂姉妹、和泉由希子プロと共に、女流四天王の一人であることを息子から教わった。和泉プロと共に、女優・タレント⇨麻雀プロの先駆けである。Abemaが世に出る前までは、モンドTVの麻雀チャンネルで、欠かさず宮内プロの対局を観ていた=結構好きだった。 2021年の麻雀最強戦では、決勝のオーラスで、99%手中に収めていた最強位の座を、瀬戸熊プロの奇跡の倍満ツモにより、取り逃してしまい、悲運のヒロインになってしまったことは記憶に新しい。瀬戸熊プロの最強位戴冠が決まった瞬間、実況の日吉プロとMCの小山GMが男泣きしていたが、それを観て僕もつい もらい泣きしてしまったことは内緒 ( ̄ー ̄)』
山井 弘プロ(日本プロ麻雀連盟)
『今回の選抜者で唯一の50代、最年長である。山井プロもモンドTV麻雀チャンネルの常連で、長年スカパーで映像対局を観てきた。守備型だった麻雀スタイルを、或る時から攻撃型にシフトチェンジしたことにより、無敵雀士の一人となった。佐々木寿人プロも、超攻撃型の麻雀スタイルに、強い守備を取り入れた麻雀へと進化させたことを考えれば、寿人プロとは、真逆の方向からの同一の麻雀へ、スタイルチェンジしたと言える。リーチ麻雀世界選手権の初代チャンピオンであり、その実力は折り紙付き。僕が最初に入社した会社の同期に、山井 薫という男がいるが、風貌が山井プロに酷似している。親戚ではないと思うので、おそらく他人の空似であろう』
菅原千瑛プロ(日本プロ麻雀連盟)
『息子から読み方を教わるまでは、「ちえ」だと思っていた。読みづらいが「ひろえ」が正解。プロ歴は意外と長く、男性ファンもかなり多い。伊達朱里紗プロが、ドラフト会議でMリーガーとして指名される契機となった、「桜蕾戦」の第二期で優勝を果たしている。また、EX風林火山のドラフト指名オーディションにもエントリーし、女流プロとしては最上位のベスト16まで勝ち残っている。つまりは相当の実力者である。普段は美人さんなのだが、対局中は顔が歪み別人に変貌する。日向藍子プロも太陽のように明るく、笑顔が輝いている女流プロなのだが、20代の頃はいざ卓に着くと、溢れる闘志を表情に滲ませ、般若の如く凛々しいお顔で対局していた。だが菅原プロは、それとは次元が違うのだ。誰が名付けたか 菅原プロの「困り顔」は、何度見ても慣れることが出来ないでいる。美人が台無しとは、こういうことを言うのだなと、この年齢になって初めて実感した。ちなみに、菅原プロをディスる意図は全く無いので、誤解しないで戴きたい』
新井啓文プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)
『若い時(2013年)に、自団体の最高峰のタイトル(最高位)を戴冠している実力者である。数年前、Мリーグの藤田チェアマンの発言により、啓文プロが僕と同じ大学出身であること知った。更には浅井堂岐プロと同じ熊谷高校出身である。僕は熊谷高校の麻雀プロ輩出数の多さ(と言っても2人だが)に、只ただ感嘆するのみであった。最強戦のインタビューを観て感じた啓文プロの第一印象は、[こいつ騒々しい奴だなぁ]だった。啓文プロ解説&日向プロ実況という、最高位戦のリーグ戦の放送対局での出来事。空気を読まずに、延々と喋り続けている啓文プロに業を煮やした日向プロが、啓文プロにおしぼりを投げつけ、口をつぐませたという逸話がある。その話を聞いた時、妙に納得した覚えがある。2024年1月に開催された最高位戦フェスに参加した時、実物の啓文プロを間近に観た。働き盛りの中年男性のギラギラ感と、A1リーガーとしての強者のオーラが混在し、その身に纏っていた。麻雀牌の捌き方は、独特で味がある。観ていて惹かれる』
内田みこプロ(日本プロ麻雀連盟)
『今回の選抜者の中では最年少。唯一の20代である。知名度、キャリア、実績共に他の7人と比較して、見劣りしていることは否めない。しかしながら、風貌、キャラクター、雀風を考えると、BEASTらしさという点においては、彼女が最も秀でていると思う。最強戦で彼女の対局を見たことがある。見た目通り、強気の攻め麻雀であった。正直に言うと、彼女が勝ってMリーガーになることを望んでいた。その理由は、選抜された8人の中で、彼女が最も持たざる者だからである。時折見せる翳りのある表情は、彼女が歩んで来た人生が、必ずしも平坦ではなかった事を見て取れた。それから、2024年に岡田紗佳プロが三十路になられてしまうと、20代のMリーガーが消えてしまうので、それを阻止するため、若く伸び代のある女流プロである内田みこプロに勝ち抜いて欲しい・・と思うのも、推す理由のひとつであるw』
石橋伸洋プロ(最高位戦日本プロ麻雀協会)
『石橋プロも若い時(2011年)に、最高位の座に就いている。このオーディションでは、ライバルとなってしまったが、竹内プロの麻雀の師匠でもある。石橋プロの麻雀も長い間、画面越しに観てきた。モンドTV、RTDリーグ、そしてМリーグ。一言で言えばクレバーな麻雀を打つタイプだと思う。それ故にチームの解体が賭かった2021年のセミファイナルの一戦で、三面張を固定するドラの先切りが、松ヶ瀬プロの闇聴に刺さり、大きく失点し、敗着する結果を招いたとも言える。あの痛恨の放銃から、石橋プロはマイナスのスパイラルの渦中から、出られずにもがき苦しんでいた。なので、今回のオーディションも勝ち残るのは難しいと思っていた。しかし、Mリーガーに復帰して欲しいという気持ちも、多分にあった。何故なら、石橋プロの奥様である 塚田美紀プロが美人だからである(笑)』
つい調子に乗って適当な事を書き連ねてしまった。😓
オーディションの勝者は、菅原千瑛プロだった。追いすがる新井啓文プロを、僅か700点差でかわす紙一重の勝利だった。
このオーディションの決勝戦の最終戦は、この年に放映された麻雀対局の中で、自分の中ではベストだった。視聴数と見逃し再生回数の多さが、彼らの激闘が熱く、エキサイティングだったことを物語っている。
このドラマチックなBEASTのドラフト指名オーディションの記憶は、今なお 多くの麻雀ファンの脳裏に刻まれていることだろう。
to be continued.