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麻雀最強戦 アマチュア予選 in 2015

そして22年後

    その後、最強戦とは長いブランクがあった。再び関りを持つようになった時には、いつの間にかシステムが大きく変わっていた。プロや著名人は年間を通して8名によるグループ予選が行われ、アマチュアは、エントリーすれば誰でも、しかも複数回出場することが出来るようになっていた。毎年延べ数千人のアマチュアが、最強位を目指してチャレンジしている。地方(ブロック)予選を勝ち抜いた各地区の優勝者を含む16名が競って、アマチュア最強位が決定する。その決定戦(試合)も、近年ではABEMAで放映されるようになったのだから、時代は変わるものである。

    復帰第一戦の会場となったのは、初めてnoteの記事に書いた、地元群馬県大泉町に在った「Mahjong Cafe Noah」 である。2015年のことであった。北関東ブロックの店舗予選へのエントリーとなる。
    受付にはこの店に在籍していた小谷美和子プロ(元)と同期の山脇千文美プロ、石田亜沙己プロがいた。若くて可愛い女性達の姿を見て、テンションが上がった。(盛ってます 笑)二人の女流プロから名刺を頂戴した。山脇プロはこの年、東日本地区の最強戦ガールを務めていた。

石田亜沙己プロとの山脇千文美プロの名刺

    僕は二人の女流プロに質問した。『この名刺はいつ頃価値が出ますか?』二人はお互いの顔を見合わせた後、笑みを浮かべて同時に応えてくれた。「2年、いや3年後には♪」
    数年後、山脇千文美プロは第1回、第2回のRTD Girl’ Fightファイトを連覇し、石田亜沙己プロは、第4期Lady's麻雀グランプリを獲り、私生活では猿川真寿夫人となった。

減少を続ける地方予選会場

    その後、夏の恒例行事として、麻雀最強戦のアマチュア予選に参加した。翌2016年もMahjong Cafe Noahでエントリー。ところが、2017年はMahjong Cafe Noahは、最強戦の予選店舗として手を挙げなかった。当時のオーナーである高橋信夫プロに、その理由を訊いた。はっきりとは言わなかったが、経営収支の問題であるようだった。参加者から徴収するエントリー料は、その何割かを竹書房に上納しなくてはならない。通常営業した場合と比較して、1日当たりの実質売上が、容認できないほど減るのであろう。
   僕は仕方なく、自宅から最も近い埼玉県の東松山市にある「麻雀スマート」でエントリーした。結果は2着、3着、2着、3着で敗退。
   そして、2018年、北関東ブロックから、群馬、栃木、茨城、埼玉の雀荘が全て消えた。近隣の雀荘では、最強戦予選に参加できなくなったのである。

東京進出

    2018年の北関東ブロックの会場は、千葉県と新潟県の麻雀店で構成されていた。このブロック名と実態である地域との乖離は、地方の雀荘の経営危機を体現していた。 
    2018年は自宅から最も交通アクセスの良い、東東京ブロックのガラパゴスで、麻雀最強戦予選にエントリーした。ガラパゴスが所在している高田馬場から東西線で1駅隣の早稲田には、当事  長女と長男が住んでいた。ガラパゴスを参加会場として選定したのは、そんな理由もあった。

    この年の勝ち上がりのシステムは、以下の通りである。店舗予選の上位10%が、東東京ブロックの本戦へ進むことが出来る。この日のガラパゴスの参加人数は、52名だったので、5名が勝ち上がりとなる。3回戦が終わった時点で、21位以下が足切りとなる。20名5卓で4戦目を闘い、各卓のトップ者が予選通過者となる。
    僕は20位で最終戦に滑り込めた。3回戦までの得点がリセットされるので、下位者にとっては有利なルール変更である。勝ち上がりの確率は25%と、現実的な数字となった。オカルト的に最終順位での勝ち残りは、縁起が非常に良い。

   天王山のラス前、対面の親はトップ目で、点差は13,900。ここで満貫をツモれば、オーラス2,000点の和了でトップが見える。この大事な局面で、満貫の聴牌が入った(下図)。

南3局 西家  持点 25,800点  暫定3位

    四−七萬・8筒の変則3面張待ちで、和了牌は4枚しかない。リーチを掛けたが、和了れるとは思ってなかった。他家を足止めした結果、まさかの4枚目の四萬をツモった。裏は乗らず満貫止まり。しかし、トップ目との差を1,900点まで詰めて、微差の2着でオーラスを向えた。7巡目、早くも条件を満たす聴牌を果たした(下図)。
   

南4局 南家  持点 33,800点  暫定2位

    高めの四萬ツモで無駄に跳満になる手だが、勝ち上がりには安めの一萬で十分である。当然のダマ。しかし、ここからが長かった。僕の聴牌気配を察したのか、自分の放銃で本戦進出者を決めてはならないという考えで、勝ち上がりの目が無くなった下家が僕の現物しか切って来ない。一萬は表示牌に1枚、河に1枚。四萬は全く見えていない。
   11巡目、上家の親がリーチを宣言した。親のリーチ後に現物となった三萬が場に2枚切られ、一萬がワンチャンスとなった。一方で僕は親の現物や通り易い牌しか引いて来ない。17巡目、待望の和了牌である一萬が下家から出た。最後の2局でトップを捲った。
   その後、通過者5名で写真撮影を行い、本戦出場のチケットを手にした。

東東京最強位決定戦 出場チケット

敗退、そして未来(老後)へ

   東東京最強位決定戦の勝ち上がりシステムは、全く覚えていない。覚えているのは、2回戦目の対局で普段とは違う打ち方をして、トップを取り逃したことと、この年の東日本の最強戦ガールが大月れみプロで、会場にその姿を現したことだけである。
     予選敗退が決まり、会場を後にした。その後、息子を呼び出し、二人で高田馬場の焼肉屋で残念会 兼 反省会を行った。「はやみ」という人気店を何とか予約し、コース料理を堪能した。

   2019年以降も、毎年最強戦のアマチュア予選にチャレンジしているが、店舗予選敗退が続いている。都合により年1回しかエントリー出来ないので、予選突破の道は険しい。
    会社を辞めた後は、全国の予選を行脚して、エントリー数を量産し、何とか地区チャンピオンを経てアマチュア最強位になりたい。それがリタイア後のライフプランであり、大きな夢でもある。
    麻雀は老若男女関係なく楽しめるゲームである。何なら、最年長アマチュア最強位の座を狙ってみるのも良い。この命尽きるまで・・・。

(了)


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