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BEASTスポンサーへの道⑨【急】完結編

Inquiry【問い合わせ】

   BEAST Japanextのスポンサー募集について、問い合わせフォームから、ジャパネットブロードキャスティングへコンタクトしたのは、2024年6月某日のことだった。
    問い合わせ内容は、下記の2点である。

①スポンサー料のレンジ (MaxとMinimum)

② 審査基準(開示できる範囲で可)

   翌日、回答メールが届いた。回答の内容については、今現在 ㈱ジャパネットブロードキャスティングと、秘密保持契約を締結しているので、このnoteに限らず、いかなるメディアにおいても公表することは出来ない。いずれにせよ、このnoteに書けるのは、同社がWeb上で公開している情報と、自社サイド内部の、抜粋した情報だけである。

Problem to be solved【解決すべき問題】

    ここで、ひとつだけ問題があった。スポンサー料の調達についてである。僕は勤務している某中小企業で、それなりの地位にいるが、当社の上には東証一部上場の巨大な親会社の存在がある。当社の事業形態は、いわゆるB to  Bで、コンシューマー相手の商売ではない。つまりは、スポンサー料=広告宣伝費は、無駄な出費以外の何物でもない。たとえ予算申請をしたとしても、社長、取締役会、親会社、いずれからも、承認されることは、全く以て不可能なのである。そこで、一計を講じた。名付けて「☆シソンヌ作戦☆」である。
     
    シソンヌとは、吉本興業に所属する人気お笑い芸人である。シソンヌは、Mリーグファンのじろうが、相方の長谷川を巻き込んで、2022-2023シーズンからKADOKAWAサクラナイツの個人スポンサーになっている。ちなみに、シソンヌのロゴは、ユニフォームの右肩の位置にある。シソンヌは、サクラナイツのチームイベントでこの事実を公表し、スポンサー料が150万円だったことも暴露している。どう考えても、守秘義務違反だが、サクラナイツからは、特にお咎めは無かったようだ。
     スポンサー料は、コンビが折半で持つとのことだった。Mリーグどころか、麻雀のことさえ ほとんど知らない相方の長谷川は、75万円も負担させられて、さぞかし  いい迷惑だったであろう。

    ここまで書けば、「☆シソンヌ作戦☆」なるもの
が、どのようなものか、簡単に想像がつくと思う。僕は2歳年下の弟に、この話のテーブルに乗せて、最低で半額を負担して貰うことを画策していた。

Smart Manager 【直感力に長けた社長】

    しがない勤め人の僕と違って、弟は2つの会社を経営する社長である。会社の株式は全て本人が持っているので、何の縛りも無く、会社の経費は自分の裁量で自由に使える。人脈はとてつもなく広く、地元の群馬だけではなく、都内にも及んでいる。そして何故か芸能界にも知人がそこそこいる。様々な事業に手を出し、何度も失敗して痛い目に遭っているが、過去の教訓を活かし、今は順調に会社の業績を伸ばしている。
    とにかく事業意欲が旺盛で、非常に勉強熱心だ。自宅には経営者向けの書籍が、山のように積んである。娯楽小説と麻雀関連の本しか読まない兄とは、大違いである(笑)。ここまで持ち上げて書くと、弟はさぞかし立派な人物だと思うだろうが、実際は然程でもない(笑)。自分の能力の限界を自覚しているので、自分に足らないものは、他の人に埋めてもらえば良いという考え方で、会社を経営している。それ故に人付き合いが非常に良く、それが人脈の広さにも繋がっている。
    弟をよく知る顧問税理士と某IT企業の社長は、弟のことを「人たらし」と評する。僕も信頼を置いている彼らが言うことなので、確かにその通りなのであろう。
     
    弟にBEASTのスポンサーの話をすると、自社にとってプラスになりそうな話に、鋭い直感を働かせた弟は、案の定 即座にこの話に乗ってきた。
    僕が想像するに、弟の会社がBEASTのスポンサーになるメリットは以下の六つである。

(1) ジャパネットグループがチームオーナーであるBEAST Japanextのスポンサーになることにより、企業イメージが向上する。
(2)営業をする上で、会社がMリーグのチームのスポンサーであることが、有利に働くケースが、稀有かもしれないが、十分に有り得る。
(3)社員を雇用する上で、他社と差別化できる。BEAST のスポンサーであることを理由に、当社の求人に応募する人員が増える可能性を、否定できない。
(4)社員の士気が高まる。自社のロゴがプリントされたユニフォームを着て、選手が闘う姿をテレビで観るだけで、自社とその会社で働いている自分に誇りが持てる。
(5)新たな人脈を広げられる。チームオーナー企業の社長や、他のBEASTのスポンサー企業の役員らと、新たなコネクションが生まれることを期待できる。
(6)節税対策になる。それなりの利益を出している企業だからこそ、出来ることではある。

   話はだいぶ逸れてしまったが、早速 僕は、商談の段取りを弟・・ではなく、社長から任された。

Business Negotiation 【商談】

    ジャパネットブロードキャスティングの受付窓口に、スポンサー契約に関する商談をしたい旨のメール連絡を入れると、翌日 商談の候補日が3日ほど提示されたメールが届いた。弟とスケジュール調整をした結果、商談の日程は7月某日に決まった。ちょうど1週間後である。群馬から東京までは遠いので、リモートによる商談を希望した。こちらの要望通り、先方からZoomミーティングの案内がメールで届いた。

   いよいよ当日を迎え、パソコンのモニター越しに商談が始まった。担当者は営業のY氏で、第一印象はとても良かった。数分間の雑談を交わした後、本題に入った。Mリーグファンにとって、魅力満載のプレゼンテーションをY氏が始めた。
     まずはチームオーナーであるジャパネットブロードキャスティングに、関する説明があった。その名が示す通り、かの有名なジャパネットたかたのグループ企業である。その詳細は敢えて書かない。本筋に無関係だからである。(本当は面倒だからである  笑)
    そして、いよいよ本題に入った。商談の詳細は前述した理由により、ここに記載するわけにはいかない。そこで、プレゼンの内容に含まれていた、BEAST Japanextが、Web上で公開しているスポンサー特典を紹介する。

【スポンサー特典】
①30秒CM放映をサービス
②チームタイアップ企画を実施
③M.LEAGUEパブリックビューイングご招待
④M.LEAGUEスタジオ楽屋見学
⑤「MリーグNo.1への道BEAST ROAD」番組観覧ご招待
⑥プロ・アマ麻雀大会ご招待
⑦BEAST Japanext チームオリジナルグッズプレゼント
⑧その他

①の30秒CMについては、全スポンサーに供されるものではなく、ユニフォームのロゴの位置により、CM放送サービスは無しと明記してある。
②のチームタイアップ企画については、カステラの福砂屋さんや、Menuさん他2社が、昨シーズンに実施している。
③PVチケットは、買おうと思えば、普通に買うことも出来るが、自分で買わずに済むなら嬉しい。
④見た瞬間に心が躍った。そしてアドレナリンが、体内を駆け巡った。
⑤サポーターの会員特典でも行けるし、行ったこともある。スポンサーとして番組観覧をした場合、何らかの特別待遇をしてくれるのか、気になった。
⑥ ④の「M.LEAGUEスタジオ楽屋見学」の次に魅力的な特典である。叶うことなら出てみたい。
⑦BEASTグッズも自費でいくつか買っていたので、戴けるなら ありがたいことである。
⑧いったい何だろうと、想像を巡らせた。大したことが無い特典か、その真逆かいずれかだろう。

   かくして、約1時間の商談は終わった。商談の最後に、検討して遅くとも来週の頭には返答しますと、営業担当者のY氏に伝えた。

Consider 【検討】

   ビジネスにおける商談において、「検討します」とは、極端な言い方をすれば、「後日お断りします」とほぼ同義語である。それでも「検討します」の前に「前向きに」という修飾語が付けば、商談の成約率は格段にアップする。自分の経験上、「検討」後の顛末は、体感的に80%以上が期待を外す結果となる。
     BEASTのスポンサーになることに関して、弟の腹は既に決まっていた。決まっていないのは、弟の会社と僕個人との、スポンサー料の負担割合である。この件については、弟が出した条件を僕が呑むことにより、会社が全額負担することで、あっさりと決着が付いた。(詳細は秘密♪)   かくして「☆シソンヌ作戦☆」は、日の目を見ること無く幻に終わった。
    そして弟から、いや、社長から、思い掛けない指示が出た。明日の朝イチで、スポンサー契約をする意向がある旨を先方に伝えよ・・と。

Examination 【審査】

    社長の指示通りに翌日の朝イチで、スポンサー契約をする意思がある旨のメールを、営業担当者のY氏に送った。Y氏からすぐにメールの返信が来た。まさか商談の翌日に、営業職にとっての朗報が届くとは思わなかったのだろう。悪い想像を巡らせば、今回の商談は田舎の中小企業の冷やかしと、捉われかねない。ところが、実際はそうではなかった。即決即答した当社に、Y氏が好印象を抱いている様子が、返信メールの文面の節々に感じられた。
    ただ、これでスポンサーになることが決まった訳ではない。当然のことだが、審査がある。商談中の雑談の中で、当社は反社会勢力ではありませんから・・という冗談めかした会話があったが、これからが本番である。要求された必要書類を提出し、ジャパネットブロードキャスティング社からの沙汰を待った。

     最後にコンタクトを取ってから、一週間以上が経過したていた。そんな或る日、僕のスマホに見知らぬ番号から、電話が掛かってきた。いつもの投資の勧誘かと思い、コールをスルーしようと思った。しかし、もしやと思い留まり、電話に出てみた。声の主はジャパネットブロードキャスティング 営業担当者のY氏からだった。
「大変お待たせしました。審査が無事に通りました!」

Contract 【契約】

    ここからは、蛇足である。企業ロゴをデータで提出し、先方が用意したユニフォームイメージ図で、それを確認する。契約書のドラフト版を確認した後に、本契約を締結する。実にあっさりした事務的作業であった。
    その間、営業のY氏からメールや電話で諸々の連絡事項があったが、勿論その内容は明かせない。ただ、ジャパネットたかたで、全自動車麻雀卓を購入し、会社に設置したことを、電話をもらった際に報告したら、Y氏はとても喜んでくれた。

会社の備品となった  大洋技研  AMOS  JP‐EX COLOR

   僕がXでスポンサー募集の告知を見てから、経過すること2か月半、株式会社OKAYAMAは、めでたくMリーグの所属チーム 、BEAST Japanext  改め、BEAST Xのスポンサー企業と相成った。

                                                    Em Conclusão (終わり)

BEAST Xの新ユニフォーム

新シリーズ「BEASTスポンサーの日常」Coming  Soon!


  

  

  


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