いつだってお気に入りの服装を纏って理想の女の子を心に携えよう。
「そんな服着てどこ行くの」
昔の母の幻聴が聞こえる。
私は昔から可愛い女の子に憧れていた。可愛いってどんな可愛いか想像したら、1番近いのが告白実行委員会に出てくる成海聖奈ちゃんだ。女優の今田美桜さん何かもそうかな。
端正な顔立ちで美しさも備えてるけど可愛さの方が勝るような。それでいて服装は今どきの流行りを抑えつつぱっと目を引く差し色や小物を携えているような。
少女漫画の主人公か、モデルさんになるような典型的な可愛さになりたかった。
かくいう私はそれとは程遠い。自ら卑下するつもりは無いけど、客観的に見てもごくごく普通の平均的な容姿であった。
自分を最高級に褒めるとすれば可愛いというよりは大人っぽいとか美人さんとかいう部類で、憧れの可愛さとはまた異なっていた。
だから自分にあった美しさや綺麗さを目指してれメイクや見なりに気をつけていくようになった。
それでも心に描くは憧れの女の子像。私は今でも気持ちだけは憧れの女の子を描いている。
今朝だってそう。今からバイトに向かうのだけど精一杯のオシャレをした、着飾った。心に理想の女の子を携えて。
そうしたら「どこ出かけるの」と姉に聞かれた。
ごく普通の質問だけど、私には「バイトだけでわざわざそんなオシャレしていくの?」と少し咎められてるような気持ちになった。
原因はきっと母の幻聴。
昔から出かける場所関係なく好きな格好をしていたら、ある日母から「そんなオシャレしてどこ行くの」と言われ、結局もう少し地味な格好でお出かけすることがあった。
母の言葉に惑わされず好きな物を着ていれば良かったのだけど当時は出来なかった。
今は母の理解も進んでか、オシャレをしても「気分を上げたいから」というと共感してくれるようになった。母も仕事が辛い日はワンピースを着て出勤するという。
オシャレをする理由は「皆お洒落してるから最低限はやらないと」という義務感からかもしれないし、「男の子や女の子から気に入られたい、褒められたいから」という自己承認欲求からかもしれない。
けどオシャレをすることでただ自分の気持ちを維持したい、上げたいって思ってるだけの人もいる。
だって辛いことがあっても「私は可愛い、理想の女の子に今近いんだ」って思えるだけで無敵になれるから。
だからこそ必要以上に頑張ったおしゃれをしてるように見えても「何のためにそんなお洒落するわけ?そんな頑張らなくてよくない?」と聞いてしまうのではなくて
「今日お洒落だね!いいね!」と単純に上げてくれると嬉しい人も多いんじゃないかな。
特に私がそうだから。
今日も心の中に理想の女の子を携えて可愛いを武器に辛いことがあったら頑張ろう。楽しい事があればもっと楽しくなるね。