2024年私的ベストアルバム!
バンド・日本語回帰の傾向が強まった2024年の音楽リスナー生活でした。去年ほどではないですが相変わらずK-POPも聴いています。一方で気にしているつもりの南米の新譜のチェックがあまりできず、欧米産の音楽に至ってはほとんど聴かなくなってしまいました。適当に揺り戻しはあるので来年は分かりません。
HYUKOH & Sunset Rollercoaster 『AAA』
電化マイルスとローゼズを無理やりつなげたかのような1曲目のイントロ。これを初めて聴いたあの日からずっと愛しています。マイルスやローゼズ以外にもズボンズ、ケヴィン・エアーズ、カン、アジムス、タンバ・トリオ、スーパー・ファーリー・アニマルズ、岡田拓郎などを勝手に感じました。「これはおれのためのバンドだ!」と一方的に思い込ませる要素に満ちていたということです。祝祭感あふれるライブも素晴らしかったです。
トリプルファイヤー 『EXTRA』
耳を疑うある種「身もふたもない」歌詞、とぼけたようなサウンドに思いのほか複雑なビート。ミーターズ? いろんな意味で聴き飽きないというか「今なんつった?」と聴き返してしまうアルバムでした。歌も楽器もあまり聴いたことのない譜割りでその世界を繰り返し訪ねるのが興味深く、そういった意味で長く楽しめる作品だと思います。2月のライブも楽しみです。
浦上想起 『遊泳の音楽』
豊かなメロディ、緻密な構成、煌びやかなアレンジの浦上ワールドがさらにパワーアップした2ndミニ。4人編成のバンドもスリリングでかっこいいのですが、いつの日か思い切り贅を尽くしたゴージャスなビッグバンドで浦上さんの設計する世界を完璧に再現したライブも観てみたいのです。
Richard Neves 『O Mergulho』
今年いちばん聴いた南米の音楽。トロピカルで不穏で軽くダビー。なんとなく97~00年くらいのプライマル・スクリームを思い出させるイメージ。いい意味で。不思議なチル効果があって夏によく聴きました。
ZAZEN BOYS 『らんど』
久しぶりに聴いてやっぱりかっこいいなと。トリプルファイヤーと比べるとやっぱり演者としてちゃんとかっこつけてるよね。「杉並の少年」は区民および近隣住民必聴。固有名詞の崩し方が巧みでさすがだと思いました。
NMIXX 『Fe3O4: BREAK』
ハウス全盛のK-POPですが、NMIXXにはこれからもビートスイッチを駆使した破天荒な曲を出し続けて欲しい。「Run For Roses」はツェッペリン好きも聴いてほしい。
優河 『Love Deluxe』
完璧な深夜の音楽。いつ聴いても27時くらいの気分になる。
OGRE YOU ASSHOLE 『自然とコンピューター』
人けはないが特に居心地も悪くないミュージアムにいるような時間を味わえる。寂しいけど意外といられる、みたいな。設計が素晴らしいのだろう。
Wool & The Pants 『Not Fun In The Summertime』
日本の残暑と密室ファンクの親和性。20年代のRC「九月になったのに」。
MISAMO 『HAUTE COUTURE』
TWICEの日本人3人組ユニットによる2ndミニ。堂々たるオープニング「Identity」やSHINeeを手本としたかのようなハウスナンバー「RUNWAY」など楽曲充実。安室奈美恵のカバーもあります。何よりMOMOのラッパーとしての成長が素晴らしい。TWICEの最新作でもそれはよくわかります。
aespa 『Whiplash』
今年の絶好調ぶりそのままの6曲18分です。タイトル曲は今年のK-POPでナンバーワンといいたい硬派なハウス。「Flights, Not Feelings」はプリンス~ジャネール・モネイのようなサイケデリック万華鏡ソウル。
SUMIN & Slom 『MINISERIES 2』
信頼できる音楽家による作品集といったおもむきで、出れば毎度繰り返し聴いてしまう。
NCT 127 『WALK』
イリチル流ヒップホップ/ソウルの一定の到達点。95年感あふれる「Orange Seoul」は白眉。トラックがスチャダラに聴こえました。