ありふれた事
お日様が顔を出し始めるころ、散歩を開始する。
1日が始まろうとする雰囲気が好きだ。
海沿いの大きな公園を通るルート。
日常的に取り組んでいる有酸素運動的ジョギングではない。
今日は休日。
散歩だ。
釣りをするおじいちゃん。
犬の散歩をするおじちゃん。
散歩をしている老夫婦。
酔い潰れて寝ている人。
長袖の人半袖の人。
色んな人がいる。
すれ違う人の会話に耳を傾ける余裕がある。
日常では目をつけられない所に目がいく。
毎日通っていて、こんなにも気づかないことがあったんだと驚く。
公園のベンチに腰掛け、海を見ながら少し黄昏れる。
いつもより落ち着ける。
寂しさや疲れに相当気がついてなかった様だ。
自分との対話を進める。
さっきまでいた形ない誰かがいなくなった様な気がした。
気がつくと、周囲が明るくなっていた。
お日様が出ていた。
帰ろうかと席を立ち、辺りを見渡す。
散歩している家族。
ジョギングしてるお姉さん。
ダンスの練習してる女子学生。
朝ごはんを食べてるカップル。
まだ釣りをしているおじいちゃん。
まだ寝ている酔い潰れて。
色んな人が自由に暮らしている。
何となく世界は回ってて、時間は進んでるんだなと実感できる。
1人じゃないと思える。
素晴らしい。
みんなが幸せそうで嬉しい。
小さな事が本当にどうでも良くなる。
音楽を聞きながら人の目を気にせずクルクル回って歩く僕。
本当の気持ちを素直に書くのは楽しい。
ありふれた事を書くのは勇気がいる。
でも良いんだ。今僕は幸せだ。
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