強く冷え込むワンルーム
あー寒い。歳をとってきて肌荒れが凄い。
そんな事はどうでも良い。
2日前からハマっている事がある。
お絵描きだ。
もともと絵を見るは好きだ。
一人で美術館に行くこともある。
特に好きなのはポップアートだ。
何がいいの?と聞かれたら困る。
「カッコよくてオシャン」てだけだから。
人の絵を見ているとイメージが膨らむ。
そして、こんな感じの絵が描きたい!と思う。
しかし僕には全くと言っていいほど絵の才能
がない。
こんなエピソードがある。
小学校を卒業する時に記念に絵を描く事があった。
りんごを描いたつもりがモンスターボール風の赤い球体になった。
もちろん真面目に描いている。
何故か硬さを帯びているように感じる赤い球体になってしまう。
それでいて平面だ。
人を描くと大体、ファミコンのマリオみたいに2D風になる。
みんな横向いててペラペラ。
立体的にならない。
こちらも平面になる。
そんな画力なので、クラスで作品発表会がある日だけは「この世から俺を消してくれ!」と強く願っていた。
自分に票が入るわけでもないし。
人のを見ると自分が惨めになるし。
こんな時に決まって上位にくる奴がいる。
本当に上手いやつ。
んで、クラスの人気者。
前者は圧倒的なスキルで他を圧倒する。
こんな何癖つける根暗な腐りかけ男も付け入る隙がない。
問題は後者だ。
つるんで作品を見て〇〇君に入れる!と不正選挙を働き始める。
組織票ってあるんだと知った僕。
これは齢12の時の話だ。
票欲しさに汚職にも走らず真っ当に戦った自分を抱きしめてやりたくなった。
そして中学生になる。
美術の時間は一枚の紙にずーっと縦線を綺麗に引くという謎の作品製作に励み何とか卒業できた。
高校では美術なんてなかったから助かった。
そんなこんなで本当に絵を、何か物を描くなんて小学生ぶりなんだ。
この歳で始めようと思ったきっかけは音声配信で知り合った方だった。
綺麗な絵を描く方。
親身になって教えてくれた。
こんな親切で綺麗な心があるから絵も綺麗になるのんだろうなと思った。
早速始めた。
そんな僕は今。
線がまっすぐ引けなくて泣いてます。
デジタルアートで線引く練習ってなんだよ。
下書きの一も二も三も真っ直ぐ引いたつもり線を保存している。
中学時代の美術の時間はなんだったんだろ。
やり直せって事かよ。
むずかしい。
突然いやになる。
もう、45して寝るか。
思考も行動も中学から変わってない様だ。
今日は一段と冷え込みの強いワンルーム。
お絵描きが楽しい。
でもどうせ使うならピンときて綺麗なのがいい。
誰か僕を描いてくれ。
今下に何も履いてないけど。
あっ。パンツとズボンくらいは履かなきゃな。
絵良くても使えなくなっちゃう。
たぶん。
僕自身が綺麗な心で綺麗な絵が描けるのはだいぶ先の話になりそう。
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