【名探偵よんしかの考察】一三監督のふんわりコメントに隠された崖っぷち奈良クラブを残留に導くキーワードとは?
突然ですが、奈良クラブのチーム内ファウル王、誰だと思います?
今季のファウル王は岡田選手の50ファウルです。
一方で2023シーズンの最多ファウルは酒井選手の81ファウルでした。今季はまだ5試合残しているとはいえ、昨季の酒井選手の数字って圧倒的ですよね。
チーム単位での平均ファウル数で比較しても、
2023シーズン 14.6ファウル(リーグ1位)
2024シーズン 12.8ファウル(リーグ3位)
今季は昨季と比較してファウル数が減っています。
特に高い位置でのファウルが少なくなっていて、今季トップを務めた百田、パト、松本の3選手のファウル数合計は46。昨季トップを務めていた酒井選手と比べると、その少なさが際立つかと思います。
思い返せば、昨季の奈良クラブって「荒いチーム」でした。相手の攻撃を(カードをもらいにくい)高い位置のファウルでかなり摘み取れていたことは昨季の最少失点の大きな要因かもしれません。
別に「ファウルするサッカーがいい」と言いたいわけではありません。ただ、あのガツガツしたサッカー、相手は嫌だっただろうなあと思うのです。
なぜ突然こんな数字に興味を持ったのか。
今季の残り5試合を応援・観戦するにあたり、見どころはどこだろうと思い、中田監督のレビュー・プレビューを読み返してみて気になったのがファウル数だったのです。
こんなことを言うと怒られるかもしれないですが奈良クラブの監督プレビュー&監督レビュー、正直に言って「分かりにくい」ですよね?
聞き手・話し手・書き手、誰の問題なのか、あるいは狙いなのかはさておき。
でもチーム情報を知る手掛かりが限定的なJ3リーグにおいて、監督の言葉は最大の手がかりです。改めて中田監督のプレビュー・レビューから、チームが何を目指しているのか?チームのどこに注目すべきか?を読み解いてみようと思いました。
奈良クラブの選手には確かに優等生的な印象って、あるよね。感情を爆発させてるイメージはない
今季は相手の強度に押されるシーンが多いかもしれないね
技術じゃなく情熱(パッション)が足りないってことかしら
この日は及第点ということか、確かにやれることをやり切った試合だと感じた
フリアン監督のシステマチックな方法論をこなすことが手段でなく目的化していた側面はあるかも。それでは感情は爆発しないし、チームとしての責任感だったり一体感は損なわれるよね
問題ってなんだったんだろうね、知りたい
初めて具体的なプレー局面に言及。確かに今季は球際がかなり弱い印象ですよね
中田監督の言葉を再読して僕が読み取ったのは
「プロサッカー選手である幸せを感じよう、そのためには型やルーティンをはみ出そう、自分たちで考えていいんだよ、パッションを爆発させるんだよ、恐れないでいい、責任は僕がとる」「そのためにはまず球際だよ」
みたいなこと。
「ボールを自分のものにしたい!」「1対1で勝つぞ!」「相手を攻め崩してやる!」というサッカー選手の本能はどこにいったの、約束事は大事だけどもうちょっとガツガツいこうぜ、みたいなこと。
冒頭でファウル数に関して触れたけど、タックル数の1試合平均も2023年はリーグ1位に対して2024年はリーグ10位。やっぱりガツガツが足りないのかも。
そんなわけで僕は、残り5試合で奈良クラブのガツガツ度に注目しようと。タックル数、あるいはファウル数。特に高い位置での。
一瞬のためらいで相手に奪われていたルーズボールにちょっと速く反応する、相手に奪われてカウンターが始まりそうなときに反射的に身体を当てにいく。
そんなガツガツが生まれれば、1対1のドリブルで突っかける、ダイレクトパスをつないでみる、バックパスかなと思わせて縦に鋭く楔のパスを入れる、ぱぱっとスローインを入れて得点を狙いに行く、みたいなわくわくするチャレンジも生まれそうな気がします。
勝ち負けもすごく大事な局面だけど、それ以上にこうした小さな一つひとつの選手たちのチャレンジにもっと目を配り、それが大きな結果につながる瞬間を楽しみたい、そんな風によんしかは思いました。おしまい
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