#カエスガタナ 山崎まさよし「ツバメ」へ。
「#カエスガタナ」。
それは、大好きな歌に返歌を認(したた)めたくなった、ロマンチさんの胸に仕舞い切れなくなった思いと、その言の葉。
今宵も恋した言葉に、ふと返事を書いてみて。
Act.0006 山崎まさよし「ツバメ」
ワタリドリ
いつか見上げた空に飛び交った
ツバメはいつか東京(まち)の空の上
窓越しに見る鳥は同じ群れなのか
覚えているかい春の訪れを
足取り軽く変わる季節に
取り残されないように駆け足になった
記憶が途切れてしまっても
同じ群れの鳥きっと追いかけて
年を重ねて過ごせること
せめてそれでも それだけでも
便りのないことが無事とは言う
言い聞かせても心の隅では
ツバメに便りを託したくもなる
分かっていても言葉をひとつ
かけてやりたいと思うだけで
僕にできることはと空を見上げる
風の噂ほどの便りくらい
おぼろげな歌を必死で紡いでいる
今年もきっと口ずさむ
渡り鳥を励ます歌を
記憶が途切れてしまっても
おぼろげな歌を必死で紡いでいる
たぶんね きっと変わらない
ツバメの歌は何処で聴いても
(よんなな 2023.5.28)
ツバメは、日本の鳥類ではポピュラーな存在ではないだろうか。春先に民家の軒先に営巣し、卵を産みヒナを育てる。居付く場所も決まっているようで、気に入られた家では風物詩のように営巣する姿が毎年のように見られる。
そんなツバメの時期を感じると、ふと思い出す旧友や身内の子。同じツバメを見ているのか、それとも…と、気をもむこともあるのだろうかと思いを馳せてみた。ちゃんと元気でやっていてくれ、その思いを小さな鳥に託してみたくなる心情は、それも愛。
【解説】
「ツバメ」。山崎まさよしのプライベート・アルバム「STEREO」(1996年11月4日リリース)の1曲目の楽曲としてリリース。「ツバメ」の歌い出しの「霞の向こうに新宿が見える…」の描写は、楽曲を制作した頃の自宅から新宿が見える情景を丁寧に描写したものになっている。
ライヴでの披露にあたっては、山崎が自らピアノを弾いて披露するスタイルとなっている。また、当アルバムの制作にあたっては、プライベート・アルバムと銘打ったものは、詞・作曲・編曲・演奏・ヴォーカルをすべて本人が担って制作されている。