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#よんなな朝の歌 ’22.12②

2022.12.4 和田アキ子「風をあつめて」

ゆっくりとした日曜日の朝ですね。時間に追われない朝にコーヒーでも飲みながら窓の外を眺める。風を集めたら、空も飛べるのかな?はっぴいえんどの楽曲のうちは妄想だって言えるけど、和田アキ子だったら力づくで集められそうな気がする(笑)。
和田アキ子「風をあつめて」
午前8:35 · 2022年12月4日

 名曲のカバーバージョンを集めるのが結構好きで、AmazonMusicのプレイリストに「風をあつめてを集めて」という名前で風をあつめてを寄せ集めたやつを作ってエンドレスに流してみたり。30曲あるんですが、たいてい10曲目でちょっと腹を壊す感じ。同じ曲を聴き続けるのも結構体に来るんだな。
 さて。和田アキ子については言及するまでもなく、和田アキ子ですわ…というくらい知らない人は多分いない、おかっぱ頭の背の高い怖そうなおばさん(言い方…)。ただしやはり歌に魂が入る歌い方は長年一線を張ってきたベテラン歌手の技そのものだと感心するものがある。この「風をあつめて」も元ははっぴいえんどの代表曲。細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂の4名からなるフォークバンド。原曲はどちらかと言えば脱力した感じの飄々とした歌い口。和田バージョンはその飄々さを甘受するまでもなく、骨の太いR&B(リズムアンド暴力…もといブルース)に昇華している。
 曲のレビューについては、実はYouTubeのコメント欄がそこそこ面白い仕上がりになっていて、「和田の力で風が集まる」「力ずくで集めてきそう」「台風あつめれそう」など、笑わされるものが多い。その中に、原曲とは別物のように思えるという声も散見され、和田がこの曲を嚙みこんで昇華させたことに好感を持つ向きもあった。
 実はそこが、カバー曲の面白さと思う。本家を正攻法で超えたアレンジは皆無で、解釈と実践でのみ、超えることができるものであると。

2022.12.5 槇原敬之「冬がはじまるよ」

おはようございます。12月の初めになって、ようやく冬らしい時間が流れ始めたなと感じます。暖かい火を眺めながら冷えたビールを飲むスタイルがあるんだなと、この歌の流れるサッポロビール冬物語のCMを見て憧れていました。でもね、飲酒も手○も中学前からだったけどさ!
槇原敬之「冬がはじまるよ」
午前7:16 · 2022年12月5日

 槇原敬之。本当にこの人が世に出てきたときは、びっくりしたものだ。とにかく歌がうまい朴訥とした感じの好青年、この頃のトレンドなのだろうか?見回すとそんな田舎の兄ちゃん然とした歌手が、ずば抜けた美声を競う音楽シーンが繰り広げられていた。デビュー年は1990年、バブル景気が終焉を迎える手前であり、昭和から平成に変わった節目の頃。そしてこの楽曲は1991年に発売された「サッポロ冬物語」の初代CMソング。「冬のビール」という新しい商品提案の訴求に、フレッシュな才能を起用した思惑がしのばれるキャスティングとなっている。
 昭和の時代は冬と言えば日本酒か焼酎か、そういう選択肢が主流だった。言い方を変えれば、固定概念がそうさせていた、と言っても相違ないだろう。おそらくこれからも何度も言うが、文化が成熟する中で新しい考え方を生むのは冗長性の有無が物を言うものだと思う。そこに産み落とされた、槇原敬之という「才能」。
 後年の槇原については、薬物による度重なる逮捕に性的指向についてスキャンダラスに語られるという残念なことが重なっているが、ソングライターとしての彼の才能はそれらと切り離されて楽曲の評価が一定のものを維持されている。これらの歌をリアルタイムで見聞きし、学校の行事でみんなで合唱した思い出は、今では宝物の一つとして輝いている。最近の彼の楽曲を嗜みアップデートすべきだが、フレッシュな1990年代初頭の余韻も捨てがたい。

2022.12.6 ザ・バーズ「ふり向くな君は美しい」

おはようございます。深夜のワールドカップ、日本代表の応援お疲れ様でした。 世界の頂点で戦い勝ち抜く厳しさは想像に絶する。敗戦は残念だけど、ピッチで涙を流す選手の姿は「君は美しい、戦いに敗れても君は美しい」の歌詞に重なる。
ザ・バーズ「振り向くな君は美しい」
午前7:18 · 2022年12月6日

 この曲を聴くと、とうとう年末になったんだな…という気持ちになる。高校サッカーの中継で必ずと言っていいほど流れる定番曲。日本テレビ音楽学院に所属する生徒がメンバーとなって結成された「ザ・バーズ」が歌唱を担当。作詞:阿久悠、作曲:三木たかし。
 イントロから昭和50年の空気が満載のトランペットとエレキギターの刻む旋律。女声と男声のコーラスの掛け合い。もっさりとした髪の毛の選手が泥だらけに張って芝生の上を疾走する姿が目に浮かぶ。
 今回のカタールワールドカップ日本代表の選手も、この歌をピッチで聴いた選手ばかりだっただろう。彼らは高校サッカーのスターであり、冬休み期間の国立競技場を目指して戦ってきた戦士なのだ。その原風景を踏まえ歌詞を読みこめば、戦いに敗れても君は美しいと称えるこの歌は単純に「敗れ去る者を想う」だけでなく、それまでに積み上げてきたことのリスペクトに結実する。
 戦いに敗れることを恐れる風潮もある。戦うことには勝つことに越したことはないが、勝ち負けに拘りすぎて大切なものに気付けないのは、それはそれで不幸せのように思う。勝ちで得るものは大きいが、負けで得た気づきが次に繋がる世界観があってよいはずだと思っている。おそらくは今回のワールドカップも、得た気づきの多さを想えば大きな戦いであったことは間違いない。我々が思うより先に、日本代表として「次」を見据えているのは間違いがないだろう。「君は美しい」と暖かく、次に向かうためにこの1曲を。

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