「今年は大福」 はらまさかず
大晦日の夜から、うさぎのメイとねこの大福は、マンションのお姉さんの部屋にいます。こたつに入って、お菓子を食べながらテレビを見て、楽しく過ごしています。
もうすぐ今年も終わり。でも、お姉さんもメイも、こたつに入ったまま寝てしまいました。大福は、というと。
「なんだか、家のなかは落ちつかねえや」
のらねこの大福には、ぬくぬくとした家のなかは、居心地が悪いようです。
大福は、玄関に行くと、そこに丸まって寝ようとしました。でも。
「そうだ」
大福は筆ペンを取り出し、紙に大きく『大福』と書くと、外に出ました。そして、玄関のドアにその紙をはりました。
すると、
トントンと、誰かに肩をたたかれました。
大福がふりかえると、そこには、にこにこしたおじいさんが立っていました。
「だれだ?」
大福がきくと、おじいさんは、
「新年だよ」
と、いいました。
大福は思わず、ぺこりとおじぎをしました。そして、
「あっ」
と思って、顔をあげると、もう、そこには、誰もいませんでした。
「今年は良い年になるぞ!」
大福は、わくわくしてきました。
楽しく、元気になるお話を、たくさん書いていきます。
『よむよんで』を、今年もよろしくお願いいたします。
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