「みんな、メリー クリスマス!」 はらまさかず

 クリスマスの日の朝は、雪でした。
 ですが、うさぎのメイは寒くありませんでした。となりにふかふかの、太った猫が、ピッタリくっついて寝ていたからです。
 でも、どうやらそれだけではありません。
 メイの体の上に、毛糸の毛布がかかっていたのです。
 メイが不思議に思っていると、毛布の上にクモが。
 「アンダーソン!」
 「これね、かりんさんからのプレゼント。冬中、編んでたんだよ」
 アンダーソンがいいました。
 「ありがとう! あったかーい」
 メイは、毛布にほほをスリスリしました。

 メイは、家の外に出ました。雪がつもり、段ボールの家は今にもくずれそうです。
 「あれ?」
 となりに、木の小屋がたっています。トタン屋根で、ずいぶんと立派です。
 「だれの小屋だろう?」
と、メイがつぶやくと、
 「メイちゃんのだよ」
と、だれかがいいました。ふりかえると、そこには、パグ犬のじゃがいもがいました。
 「おじいさんからのプレゼント」
 じゃがいもがいいました。
 「うわあー、ありがとう!」
 メイは小屋をだきしめました。
 「おっ、じいちゃん、やっとできたか」
 そういって、段ボールの小屋から出てきたのは、猫の大福です。
 「大福、いっしょに入ろう!」
 メイがそういって、木の小屋の扉をあけると、部屋のなかには、紙が一枚ありました。赤い紙です。
 「サンタさんからかなあ」
 紙には何か字が書いてあります。メイは、字が読めないので、じゃがいもに読んでもらうことにしました。
 
 『いつでも遊びにおいで。太った猫もいっしょに来ていいから。
                           お姉さんより』
 それは、メイが、まだペットとして飼われていた時、一緒に暮らしていたお姉さんからの手紙でした。
 メイは、なんだか、心があたたかくなりました。
 みんな、メリー クリスマス! 

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