「うさぎのメイ(2)」 はらまさかず
うさぎのメイが歩いていると、すれちがう人たちがみんな、メイをじろじろと見ていきます。どうやら、ふろしきを背負った小さなうさぎが、ひとりで道を歩いていると、とても目立つようです。
メイは気にせず、歩いていきます。
すると、向こうから、太った猫と丸い犬がやってきました。
猫の大福とパグのじゃがいもです。
メイが通りすぎようとすると、大福が話しかけてきました。
「よう、おまえ、どこに行くんにゃ」
「ぼく….まだ、決めてない」
メイが言いました。
「ひとりなの?」
じゃがいもがききます。
「うん。家出してきたの」
メイがしょんぼりして言いました。
大福とじゃがいもは顔を見合わせました。
「よし、じゃあ、いっしょに大学へ行こう」
大福が言いました。
「大学?」
「ああ、むずかしい勉強をするところだ」
と、大福。
「うん。ぼく、大学に行く」
メイが言いました。
こうして、大福とじゃがいもとメイは、いっしょに大学に行くことになりました。