「オオカミのねがい」 はらまさかず

 うさぎのお店に、オオカミがやってきました。
 「人生をがらっと変えたいんだ」
 オオカミがいいました。
 「そんなのかんたんさ」
 「ほんと!」
 「うん。いくらでも方法があるよ。まず、仕事をやめて」
 「それはできないな」
 「え? じゃあ、新しい森へひっこして」
 「新しい森かあ。うまくやれるかなあ」
 「学校にいってみたら?」
 「時間もないし、もう年だしな」
 「そう。じゃあ、方法は一つ」
 「なになに?」
 「ねているときに夢をみるしかないね」
 うさぎがいいました。
 オオカミは「フン」といって、出ていきました。
 
 オオカミはそれからも、いつか人生をがらっとかえようと、いつも通りがんばってくらしました。

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