botchanLab. iGEM4月
お久しぶりですで。よむです。もう5月も終わりですね。ということで、4月の活動を書いていこうと思います。
…。
東京理科大学のiGEMチーム、坊ちゃんLab.としての活動が本格的に始まりました。
遺伝子組み換えを用いた大腸菌を用いて、炎症性腸疾患(IBD)の早期発見薬を作るというテーマとなり、各々調べ物を開始しました。
内容としては、IBDの炎症により発生したNOを大腸菌が感知して、プロピオン酸という臭い物質を産生、おならとしてそれらが大量に放出されることで、IBDを検知するというものです。
IBDは患者さんが実際に検査に赴くまでに時間がかかり、さらに医者が確定診断を下すためにも、検便や内視鏡検査が必要となり、ハードルが高いです。さらに、炎症性腸疾患(IBD)と、非炎症性のIBSという重篤ではない疾患の症状が類似しており、区別が困難です。
市販の経口薬で炎症を検知できると、これらの問題点が解決できるのです。
テーマ決め
春休みに現3年で何度も1日中集まり、何かいい案は無いかと話し合いました。身近な問題点をまず探しらそれに対する合成生物学的なアプローチを考えるというものでした。iGEMで評価されるため、評価要項との照らし合わせも必要であり、良さそうな案でも没になることが多々ありました。
微生物触媒による新しい有機合成経路の開拓(有機好きな私がやりたかっただけ)や、微生物を使ったルームフレグランス、微生物を用いた除雪材など様々な案が出ました。このテーマ出しの際、専門でないから使わないと思っていた、微生物学や生薬学、疾病と病態など、直接は関係の無い大学の知識を使う機会が多く、教養の大切さを知りました。とはいえ、テーマを出すのはなかなか難しいものでした。iGEMの実験や調べ物を進めるため、いち早く素晴らしいテーマを決めないとならないためです。身近な疑問点などは、ある時ふと思ったとしても、それはすぐに忘れてしまうものです。普段からメモに残すなどしておけばよかったと後悔しました。
活動開始
さて、ようやくテーマが決まり、IBDのことや、臭い物質を何にするか、導入する遺伝子の例は…など、全員で調べ物に入りました。私の仕事は、NOを感知した後に産生させる臭い物質を何にするか決め、大腸菌に導入する合成経路や株を見つけるというものでした。
チームの意思として、いい匂いではなく、臭いものにしようという方針があったため、これがなかなか大変でした。花や果物の香りのような、いい匂い物質であれば、エステルの炭素鎖を組み替えるだけでよく、合成経路も、大腸菌への導入例も多々あるため楽だったのですが……
臭いものとした理由としては、「くさやの臭いを参考にして、日本らしさを出そう!」と、「インパクトが強そう!」といったものでした。先が思いやられます。
論文をしっかりと読んでまとめ、参考文献や引用も辿って調べることはこれまでしていなかったため、良い経験となりました。おならやくさやの成分を調べるために論文を漁ることは、この先二度とないでしょうが。
調べた結果プロピオン酸となりましたが、臭い物質でおならの臭いを変えるのは検出方法として曖昧すぎないかとずっと思ってしまいます。案としては面白いですが。メントールを産生させれば、炎症を検知するとお腹の中が冷たくなり、炎症も抑えてくれる。といったものにすればよかったのではないかと密かに思っています。合成経路もハッキリしていますし、楽だったのではないかと。実験するに当たっては、検知の基準が冷感だと定量がかなり難しいため、没となりそうですが。
新歓
さぁテーマが決まり、調べ物などを始め出したところですが、ここで春休みが明け、新歓が始まります。
本当は新歓のことについて別で記事を書く予定だったのですが、サボりにサボって6月になりそうだったので、もうまとめて書くことにしました。私の根っこがなにせ怠惰なもので…
このサボり癖は学業や生活面でも多大な影響力を持っているためさっさと直したいのですが、染み付いた性格というのは、なかなか頑固なものです。人に迷惑がかからない程度に怠惰を楽しんでいるので、もうこれでいいかと諦めています。
長くなりましたが、新歓の話です。
新歓までの代、2023年度の坊ちゃんLab.は、生物学科が24人、薬学が1人という何とも偏った、閉鎖的なサークルでした。その1人だけ迷い込んだ薬学こそが私なのですが。
今年の新歓はiGEMのための戦力をかき集めるための戦いであると共に、肩身の狭い今の偏った学科構成を脱却するための戦いでした。
iGEMの話で釣り、あまり興味無さそうな人はHPとEdu要因のSC(Science Communication)班要因で釣り、さらに興味無さそうな人は過去問で釣り…
私はこれまでコツコツ作成してきた過去問の解答をふんだんに活用しました。模範解答はなかなか広まっていなく、かつ出回っているものは間違いも多いため、私はほとんど使っていませんでした。それに私のアイデンティティ(?)である学科2位という微妙な称号で補強していきました。
やり方自体に納得はできていないものの、私の前4年以上薬学0人、今の代も私のみしかいなかったこのサークルに今年薬学が新入生6人、2年1人、3年1人加入という大革命が起こりました。
化学系や数学系の人も入ってきてくれて、偏った比率もまともになり、嬉しい限りです。
ただ、坊ちゃんLabはコロナ禍もあり、過去4年iGEMに出ていなかったチームです。引き継ぎは途切れ、僕らは経験者とのコネや、進め方、お金などにおいて全く無知の、いわゆる立ち上げの代と言っても過言では無い代でした。3年生とはいえ、iGEMのことについては1年生とほとんど変わらない経験と知識という大きな不安点があります。このズレは後々何かしらの形で影響してきそうです。
ここから実際に調べ物をひたすらに行い、方針を定めていきます。長くなりすぎたので、それはまた別の記事で書こうと思います。