文通を始めてみませんか?:「長く続けるために」編
はじめに
前回までに文通を始めるにあたっての予備知識と実際に文通相手を探す方法を書きました。
多くの方は文通を長く続けたいと考えていると思いますが、残念ながらいろいろな理由で途絶えてしまうことも少なくないようです。文通は仕事ではなくあくまで趣味なので、お互いの負担にならず、楽しく気持ちよくというのが特に大切なのだと思います。
今回は、
・文通が途切れてしまう理由
・文通を長く続けるための工夫
を書いてみたいと思います。
僕自身、文通を始めてまだ1年弱と経験が浅いのですが、インターネット等で文通が途切れてしまった事例やトラブル事例をいくつも見かけましたので、その内容をもとにしています。
ライフステージの変化
入学・卒業、就職・転職、結婚・出産など、自身または相手のライフステージが変わり、価値観が変わったり、手紙を書く時間が足りなくなって文通が終わってしまうパターンです。これはある意味で仕方がないことだと思いますが、こういった変化を乗り越えられるくらい強固な文通関係が築けるといいですね。
手紙の形式的な点
文通の根管をなす手紙の形式について、好き嫌いや相手に望むことは人によって様々です。それらがお互いに合致しないと不満が重なり、文通が途切れてしまうこともあります。たとえば以下のようなものですが、この辺りは文通を始める前にお互いの考え方をすり合わせできれば問題になりにくいと思います。
①手紙の頻度
受け取ったらすぐにお返事を書く、1ヶ月に1回くらい、数ヶ月に1回くらい、極端な場合は数年に1回くらいなど、相手の返信に求める頻度が不一致な場合です。僕は特に頻度を定めず、負担にならないようお互いのペースで交換できればと思っています(たいてい一ヶ月以内にお返事を書きます)。
②ポストカードか便箋か
短い文章でクイックに書けるポストカード(絵葉書など含む)を使用するのか、ある程度の文量となる便箋を使用するのか、もしくは自由・組み合わせなのかについても、事前にお互いの考えを確認できればいいかなと思います。
③便箋、封筒、レターセット
使用する便箋、封筒、レターセットにもこだわりがある方がおられるようです。チラシの裏はNGというのは皆さんに共通するところだと思いますが、その他にも、
・ルーズリーフはNG
・100均のレターセットはNG
・バラセ(便箋と封筒がペアになっていない、便箋が途中で変わる、など)はNG
という方もおられます。
④手紙の長さ
便箋が何枚にもなるロングレターが好きという方もいれば、ロングレターは苦手だから2-3枚くらいがいいという方もおられます。お互いの好みがアンバランスだとお手紙交換がしんどくなってしまうことがあります。僕はだいたい相手の枚数±1枚くらいにすることが多いです。
⑤筆記具
黒や青などの濃いめの色のペンで手紙を書く方が多いと思います。ときにはガラスペンや万年筆を使ったりするのもいいですね。あまりおられないと思いますが、鉛筆・シャープペンや赤ペンは嫌がられることがありますので、避けた方がよいかなと思います。また、水性インクは雨で濡れると滲んでしまうので、これも避けた方がよいですね。
⑥文字
手書きの文字を楽しむというのも文通の醍醐味かと思いますが、文字が汚い、読めないという問題も起こります。僕も文字が下手くそなので、せめて丁寧に書くように努力しています。
⑦その他
シールやイラストで便箋や封筒をデコレーションするのも楽しいですが、これも相手の好みを考えてということになりますね。
また、ときにはプレゼントを添えたい派と、純粋に手紙だけを楽しみたい派がおられますので、この辺りも事前に確認できればよいかなと思います。言葉遣いについても、(仲良くなったら)ため口で手紙を書きたい方や、ため口は好きではないという方もおられるので、お互いの好みを確認しておきたいですね。
手紙の内容
これが文通で一番の楽しみである一方、相性が合わないと楽しくない、辛いと感じてしまうこともあると思います。よく目にする不満は以下のようなものです。
①双方向なコミュニケーションにならない
会話でも手紙でも、双方向なコミュニケーションが楽しさを感じる大切な要素だと思います。ひたすら自分のことばかりを書いたり、相手が書いてくれた話題や質問に全く触れなかったり、逆に全く質問してくれなかったりすると楽しくないですよね。
②悪口やネガティブな話題が多過ぎる
家族や友人のこと、仕事や上司のこと、病気や悩みごとなど、時には愚痴や悪口を書きたくなることはありますし、それも文通の1つの側面だと思います。ただ、そういったネガティブな話題があまりに多過ぎると、手紙を読む相手も気持ちが盛り下がってしまいますので、明るい話題を織り交ぜつつ、ネガティブな話題は控えめに、というのがよさそうです。
③共通の趣味、話題がない
相手との共通の趣味が少ない場合、だんだんと書くことがなくなってくるかもしれません。文通を始める前にお互いの趣味や好きなことをある程度確認し合うのがおすすめです。ただ、共通の趣味や話題が少なくても、相手の趣味に興味を持ってみたり、自分の生活の中でもちょっと視点を変えてみたりすると、いろいろなおもしろさや発見があるかもしれません。それらを分かち合うのも楽しいだろうと思います。
④NGトピック
お互いの生活状況や価値観によって、触れたくない話題というのもあると思います。NGトピックは文通を始める前にしっかり確認しておくべきと思います。たとえば、子育ての話題は触れてほしくないという方や、趣味以外の話はしたくないという方もおられますね。
⑤その他
あまりないと思いますが、出会い目的であったり、詐欺目的であったり、そのような本来とは異なる目的で文通される方もおられるので注意が必要です。中には、会いたいと迫ってくる、いきなり会いにきた、いきなり自宅に来た、というようなケースもあるみたいです。
終わりに
いかがだったでしょうか?文通がしんどくなる、途切れてしまう理由を書き出せば山ほどありますが、事前に確認したり、相手のことを思いやることで多くは解決できる点だと思います。僕もこれまでに出会えた、そしてこれから出会うであろう文通友達と長く楽しくお手紙交換できればいいなと思っています。