【伊達ルネッサンス塾 第3期/最終発表会レポート】それぞれのゴールにたどり着いた塾生たちは、新たなスタートラインに立つ

■2017/2/25(土)@舘矢間まちづくりセンター(丸森町)

6月25日(土)のプレセミナーで開幕した第3期も最終発表会を残すのみ。ちょうど8ヵ月間、これまでよくぞ走ってきたものだと自分ながら感心しています。この日も好天で、日なたは2月とは思えない暖かさ。開幕時点では冬将軍の心配もしていたのですが、第3期はこの点でも恵まれていました。

会場は舘矢間まちづくりセンター。朝から事務局やOBが準備を行うかたわら、塾生がリハーサルを進めます。そして昼過ぎには近くは車で5分圏内から、遠くは新潟や東京からも参加者が着々と集い、いよいよ最終発表会が始まります。

さて、今日の主なメニュー。
○オープニング
○塾生マイプランの発表
★審査員
・糸原るいさん(株式会社メデュアクト)
・加藤あけみさん(丸森町子育て定住推進課 課長補佐)
・坂本 一さん(一般社団法人まなびの森 代表理事)
・尾野寛明さん(伊達ルネッサンス塾 塾長)
○リフレクション(参加者同士の感想共有など)
○ゲストセミナー
・糸原るいさん(株式会社メデュアクト)
○各賞発表・表彰・講評
○交流会

■話す人、聞く人の想いが交差する

はじめに諸説明や第3期のこれまでを振り返ったのち、さっそく塾生マイプランの発表に入りました。各塾生のマイプランのタイトルと概要は以下の通りです。

○泊 昌史さん「スタンプラリーの美学」
昨年7月に山元町に移住し、町をめぐるスタンプラリーの企画ができるまでのお話。
○橋本鮎子さん「一隅を照らす」
味噌やしょうゆなどを手づくりするグループ「てまめ会」を、人が出あい、つながる場に。
○星みのりさん「私はワタシ。」
「地域」と「自分」の間でプランが揺れる~現時点で、自分が到達した想いとは。
○念佛明要さん「仙南版画屋台」
居場所ではなく、そこに居られる状況をつくることで見えてくる「ひとりぼっち」と「地域」の関わり方。
※仕事の都合で欠席のため、事務局が代理で発表。
○目黒太規さん「田舎×○○」
「田舎をもっとワクワクさせよう!」と、「田舎×○○」の可能性を探り続けた1年間。
※私事の都合で欠席のため、事前に撮った動画で発表。
○関根孝幸さん「偶然の出会いが人生に変化をもたらす」
伊達ルネ塾の課題で話を聞きに行った洋菓子店。ここでの出会いによって、気づいた本当のマイプラン。
○菊地るみさん「地域に出ると何かが起こる」
地域の楽しさを知ることで人生が豊かになる。まずは一歩踏み出してみることの大切さ。

文字で書くと簡単に見えますが、塾生がそれぞれ半年間「自分」と向き合い、自分の活動エリア・居住地や自分の出身地などの「地域」と向き合ってつくりあげてきたマイプラン。プランを考え抜いたり、行動に移してきた塾生の言葉に、参加者の皆さん、聞き入っていました。また、4名の審査員の皆さんからは、質問を通しての発表内容の深掘り、励ましやアドバイスをいただき、塾生もあらためて考える機会にもなりました。

全塾生の発表終了後は、投票の時間。参加者が最も印象に残ったり、応援したいと考えたマイプランを1つ選びました。この投票結果も表彰に反映されるため、誰を選ぶか迷っていた方もいたようでした。

そして、審査会の間にはリフレクションの時間を持ちました。3~4人のグループに分かれ、塾生の発表を聞いての感想や、自分の中から出てきた「こんなことしたい」という想いを共有しました。初の試み、どうなるかと思いましたが、話し始めると止まらなく、あっという間に時間が過ぎたようでした。

■いろんな人とのつながりが、さらなるチャレンジを呼ぶ

後半は、審査員も務めていただいた糸原るいさん(株式会社メデュアクト)によるゲストトークです。

島根県出雲市出身の糸原さんは地元の大学を卒業後、仕事のかたわら雲南市で始まった地域づくり実践塾「幸雲南塾」(伊達ルネ塾の姉妹塾でもあります)の第1期を受講します。高齢化が日本の25年先を進んでいると言われる雲南市で、次世代の地域を担う若者育成を目指した幸雲南塾は、継続した取り組みも生まれて成果も徐々に現れてきました。

しかし「一人で活動するのが難しい」という卒業生の声から、「応援してくれる仲間の存在が大事」なことに気づきます。そこで、受講生や卒業生のチャレンジを応援する団体「おっちラボ」(のちにNPO法人化)が設立され、2014年度(第4期)からは幸雲南塾の事務局も担っています。

「自分も応援したい!」という想いを持っていた糸原さんは、のちに「おっちラボ」に加わります。そして幸雲南塾の運営や、地域で活動する若者を地域や専門家とつなぐことで、若者のチャレンジを推進してきました。

幸雲南塾をこれまで6年間続けてきての地域の変化として、糸原さんは「当初は若者のみの取り組みだったのが、すべての年代~子どもたちから、大人、ずっと年上の世代まで~にチャレンジが広がり、さらにこれらの連鎖が起こっている」ことを挙げてくれました。実際、今年度の最終発表会では高校生や大人たちの出番もあり、ともに地域のことを考えたそうです。このような「子ども」「若者」「大人」それぞれのチャレンジの連鎖から6つのプロジェクトが生まれ、雲南市の施策にも取り入れられています。

糸原さん個人としては、昨年から株式会社メデュアクトに移り、中小企業のコンサルティングに取り組んでいます。そこには、地域に貢献できる専門スキルをさらに磨きたいという想いがあり、糸原さん自身にとっても新たなチャレンジと言えると感じました。

最後に糸原さんの言葉から―

「地域づくりの現場にいて感じたのは、『個人のやりたいこと』と『地域のニーズ』の両方を満たさないと活動は長続きしない」。

よく言われることですが、どちらかだけだとバランスが崩れたり想いが空回りしてしまいます。これまで、受講生そして運営側として幸雲南塾に関わり、さまざまな経験を積んできた上でのこの言葉、これから活動を進める人にとってはとても大事だと思いました。

■修了というゴールが、新たなスタートに

最後に、審査結果の発表と表彰です。

まず、参加者の投票による「共感賞」は、菊地るみさん。
続いて、「審査員特別賞」は、橋本鮎子さん。
最後に、「最優秀賞」は、関根孝幸さん。

がそれぞれ選出されました。

関根さんのコメントで印象的だったのは、「危機を感じた時こそ、自分の力が出る」というもの。「これでいいや」と思った時もあったそうですが、「いやいや、他の塾生たちもきっとあれこれ(マイプラン以外も含めて)頑張っている」と思い直し、マイプランを深めていったからこそ、出た言葉だと思います。

そのあと、塾生全員に修了証が贈られ、第3期の最終発表会は終了しました。その後の大交流会も大いに盛り上がったことは言うまでもありません(笑)。

最後に…。

塾生の皆さん、半年以上もの長い間、おつかれさまでした。しかし、本当のスタートはこれからです。何かで行き詰ってしまった時があったら、伊達ルネ塾第3期のことを、伊達ルネ塾で出会った仲間たちのことを思い出してください。そうすることで、何か光が差し込むかもしれません。

そして、次のチャレンジャーになる皆さん、心に秘めた想いをかたちにしてみませんか。伊達ルネッサンス塾は、想いをかたちにしようと一歩踏み出す人を応援していきます。さあ、次はあなたの出番です。

最後の最後に…。

ゲストを引き受けていただいた方々、会場を提供してくれた方々、セミナーにご参加いただいた皆さん、その他伊達ルネッサンス塾第3期にご協力いただいた皆さん、本当にありがとうございました。皆さんのおかげで、第3期、無事に終了いたしました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

これにて、伊達ルネッサンス塾第3期は終了です。
皆さん、またお会いできるまで、しばしお待ちください。

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