鰻とサブウェイ
会社の近くにある神社に、社員全員で遅めの初詣に行った。
道中に鰻屋ができていて、ちょうどお昼時だったしテイクアウトもできるようだったので、社長が鰻重(しかも特上の竹)を買ってくれることになった。
私はお昼ご飯をコンビニで買っていたのだが、鰻を食べられる機会を逃すわけには行かないと思い、ありがたくご馳走になることにした。
全員が突然の鰻に喜んでいるものだと思い込んでいたそのとき、なんと会社のナンバー2の女性が、「私はサブウェイの気分なので」と言ってさっさとサブウェイを買いに行ったのだ。
鰻とサブウェイ。
もし私だったら、たとえ前日から「明日はサブウェイを食べるぞ」と決めていたとしても、鰻を買ってもらえることになったらサブウェイは別日に見送るだろう。
私もいつかは先輩のように、鰻をいつでも自分で買えるような経済力と、自分の欲望を貫き通せる「ブレなさ」を身に付けたい。
鰻はとても美味しかったし、私に一瞬で見捨てられたコンビニのお昼ご飯は明日食べよう。