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【EDH】復興資材でソリティアするおばさん【復興の領事、ピア・ナラー】


前置き

今回紹介するデッキはこちら。
【指揮官リアーラ・ポーティア】である。

攻撃した時、能力の解決に際して「攻撃されている状態」の対戦相手1人につき1枚の衝動的ドロー+追放領域から唱える呪文を1マナ軽くする。
何故こんな微妙に面倒な書き方がされているかというと、おそらくはキーワード能力の無尽と組み合わせるためだ。

1マナ1/1無尽バニラ(?)

無尽持ちクリーチャーが1体攻撃すれば、能力の解決時には全ての対戦相手を攻撃している事になり、都合3枚の衝動的ドローと3マナ軽減が行える。
早速筆者は赤と白の無尽持ちクリーチャーを集め、デッキを組んで戦ってみた。

思っていたより何も出来なかった。

私のデッキ構築が間違っていた可能性はあるのだが、一度全体除去をもらうと《我々の刃》が残っていない限りほとんど立て直しが効かない、という事に気づくまでそう時間はかからなかった。
相手の盤面が固まっていると無尽持ちクリーチャーで殴れる余地がなく、貴重な無尽持ちがただの使い捨て衝動ドローになってしまう。しかもソーサリーやインスタントと違って召喚酔いまでする!
そもそもクリーチャーのサーチもドローも苦手な赤白という色で安定してクリーチャーの供給が出来るはずがない。《護衛募集員》や《帝国の徴募兵》をひたすら使い回すデッキにでもするなら別だが、それならもっとマシな統率者の選択肢がある気がする。

全体除去の返しに5/3を立ててエンド、次のターンに5/3で殴って1枚衝動ドローして1マナ軽減、土地がめくれてエンド……などと言った事態が多発し、悲しくなって結局【指揮官リアーラ・ポーティア】は1日で解体してしまった。

(後知恵だが、無尽に拘らず《軍勢の集結》などを用いたトークン戦略を取っていれば多少マシだったかもしれない)

しかし発見もあった。
単体では機能しづらい効果を持った《リアーラ・ポーティア》だが、とあるカードと組み合わせた時だけは驚異的な爆発力を見せたのだ。
そのカードというのがこちら。

やっと本題に入ります

《復興の領事、ピア・ナラー》である。
そこでバオーは思ったッ! 「じゃあこの《ピア・ナラー》を統率者にした方が強くね?」とッ!

解説

20枚を超える衝動的ドローによってひたすら呪文を繋ぎ、その過程で生成された飛行機械で盤面を圧殺するデッキである。レベルは7か8と言ってもいい気がする。
言うてこんな2マナの統率者の能力で『圧殺』と呼べるほどのトークンが出るのか? と思われるかもしれない。
個人の感想ではあるが、結論から言うと、出る
調子がいいと5~6ターン目には一気に10枚以上の呪文を唱え、赤白という色に似合わぬぶん回しソリティアデッキと化し、暇になった相手に学マスを起動させる程度には実力がある。
このデッキは『ソリティアすればするだけ飛行機械が出る=勝利に近づくデッキ』なので、残念な事にソリティアからは逃げられないのだ。

ソリティア加速(減速?)カード。
考えることが倍に増えるので正直に言って嫌いなカードなのだが、
衝動ドローとの相性が非常にいいため入れざるを得ない

基本的な動きはわりとシンプルだ。
1ターン目は土地だけおいてパス、2ターン目に《復興の領事、ピア・ナラー》を唱え、3~4ターン目はマナファクトを置いたり衝動的ドローを単発で唱えたりして準備を整え、5~6ターン目から一転攻勢を仕掛ける。

《炎の儀式》や《戦いの賛歌》、《三本木市》、《黄金の玉座》といったカードでマナは潤沢に出るようになっているので、ゲームが進めば進むほど「《無謀なる衝動》から《レンの決意》を捲り、さらにまた《未知の受け入れ》が捲れ、戦闘フェイズには飛行機械トークンでアタックして《カットスローツのレイダー、ローズ》と《太陽の先兵、ネヤリ》で合計6枚捲り…」という気持ちよい動きが出来るようになっていく。

飛行機械トークンで3人を殴れば3枚衝動ドロー+赤3マナ追加。
ほぼ毎ターン撃てる《ジェスカの意志》だ

先述の《指揮官リアーラ・ポーティア》はこのデッキだとまさしく獅子奮迅の活躍を見せる。《秘儀の印鑑》や《友なる石》を0マナに変え、1マナで《ジェスカの意志》を打たせてくれる挙句に《ジェスカの意志》で捲れたカードもまたマナコストを軽減してくれる。

《宴の打破者》は実質的に《語りの神、ビルギ》の表と裏を足して2で割ったようなカードだし、《動物学者、ベニー・ブラックス》や《忘却の偶像》によって手札補充も行えるため、息切れせず毎ターンアクションを起こすことが出来る。

《ピア・ナラー》によって出て来た飛行機械が実質的にマナになる

デッキを作る際に気にした点として、このデッキには《前哨地の包囲》のような毎ターン衝動ドローをしてくれるカードを《フラックス》しか入れていない。それ以外の衝動ドローカードは全てクリーチャーか使い切りのスペルで固めている。
最初は《黒焦げのホワイエ//歪んだ空間》くらいは入れていたのだが、出たターンに何もしないのが気になってしまい、最終的にはデッキから抜けていった。とにかく呪文を唱える数が大事なこのデッキにおいては、4マナ+3ターンをかけて3ドローするくらいなら最初から《不可視の一瞥》や《ジェスカの意志》を優先した方がよいと考えた。

強力なテキストを持つ《歪んだ空間》も、マナコストを抑えたこのデッキでは元を取るのが難しい

その点《フラックス》はETBで4点火力を飛ばしてくれるのが非常にありがたい。《ドラニスの判事》や《エイヴンの阻む者》といったこのデッキへの特攻カードを処理しつつ次ターンの動きにつないでくれるし、《悟りの教示者》でサーチも出来る。

単体除去に4枚のおまけがついてくると思えば割と強い

フラックス仲間(?)の《迫りくるフラックス》は衝動ドローから捲れると突然各対戦相手と対戦相手のクリーチャーに5点ダメージとかを与えてくれる。このデッキを使っていて最も気持ちよい瞬間の一つだ。《ディレイド・ブラスト・ファイアボール》? 知らない子ですね・・・

ちなみにこのデッキの防御札が《テフェリーの防御》と《巧みな隠蔽》だけなのも理由がある。
この2枚は効果の及ぶ期間が「次の自分のターンまで」なので、衝動ドローで捲れて自分のターンに唱えることになっても意味のあるカードだからだ。
《完璧な陣形》や《堅忍な閃光》は自ターンに唱えてもほとんど意味がないが、《テフェリーの防御》は自分のターンの最後の呪文として唱えれば1ターンの時間稼ぎとして十分意味がある。マナファクトや《ピア・ナラー》が生き残ったままターンが帰ってくれば、また無事に展開を始められるためだ。
先述の通り意外と手札が減らないデッキなので、除去を食らっても案外立て直しはすぐできたりするのだが。

こんな感じでソリティアの中にも結構細かいシナジーが色々あり、使う分には楽しいデッキである。深夜の一人回しにも最適だ。
ただし自ターンの長さに間違いなく卓の空気は冷えるので、使う回数は控えめにしておこう(自戒)

なお、《ドラニスの判事》か《神秘的負荷》を出されたら諦めよう。

終わりに

今まで長々と書き連ねて来たとおり、デッキに入れるカードはどれも納得がいくまでしっかりと吟味したつもりだ。
100枚デッキ解説もやろうと思えば出来ると思うが、今回はこの辺りで切り上げたい。
なぜなら解説をしてもどうせ10枚以上が『衝動ドロー要員』以外に書くことがなく、記事が長くなるわりにたいして情報がないからだ。
巷の100枚解説もそんな感じの記事たまにあるけど
とはいえ気が向いたらやるかもしれません。
むしろ『100枚に入りきらなかったカード』の解説とかもしたい

これを読まれた方に何かしら新たな発見があれば幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。

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