2022.12.17　温かい君たちへ

午前中は手品教室の講師として二時間ほど講座をやる。リクエストがあったのでロープマジックを教えたのだが、生徒さんたち大苦戦。こんな複雑で難しい手品を過去の自分はどうやってマスターしたのだろうと不思議に思う。たった数分の手品だが、一日で教えるのは諦めて宿題にする。みなさん頑張ってください。

夕方は御殿場のサンノトコロカフェでマジックショーだった（松坂の鈴鳴舎さん&伊勢のまいさんプレゼンツ。いつもお世話になっております）。今年の6月から始まって4回目になる。次回は来年の3月を予定。

まさかトリ用のネタの道具を忘れるとは思わなかった。準備の段階であれほど慎重に揃えていたのに、バッグに入っていなかった。口上を散々述べてから、さあ、バッグから出すぞ！　の段階で気づいて汗が噴き出る。

素直にごめんなさいして、急遽、予備のネタを演じた。いつもは予備を用意していないのに、今日に限ってはなんとなく頭の片隅にあった。予備のネタは、もちろんウケた。なぜなら過去に何度も演じて確かな反応を得ているネタだったから。

それでもやっぱり禍根は残る。僕の見せたいものが見せられなかったから。わかっている。これはエゴだ。観客のみなさんが喜んでくれたから、満足すべきなのだ。僕が見せたいものではなく、観客が見たいものを見せるのがプロというものではないか……。

もやもやはしかし、サンノトコロカフェ名物コーヒーカルボナーラを食べ、風呂に浸かって布団に入ったら消滅した。ありがとう、温かい君たち。