石川県LGBT条例案、パートナーシップ条例について|竹田良平石川県議|R5年12月予算委員会
【石川県LGBT条例案、パートナーシップ条例について】取り上げて下さった、竹田良平議員に感謝いたします。石川県公式会議録12月14日-01号 - 令和 5年12月14日予算委員会 - 会議録検索システム VOICES/Webから私的に抜粋を行ったものであり、文中見出しや太字なども筆者によるものです。
アンケート画像は、竹田良平議員の公式サイトでの県政報告通信より引用しました。
※これまでの経緯
石川県LGBT条例案はR5.8月にパブリックコメントが行われた。一年経過したR6.11.10現在は「募集を終了し公表を準備中」の状態である。
石川県は、大物LGBT活動家「松中権」氏の出身地・おひざ元であり、県の「検討に係る有識者会議」にも(一社)金沢レインボープライド共同代表として参加しているほどである。動向が注目されている。
パブリックコメント | 石川県
石川県性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する条例(案)及び石川県パートナーシップ宣誓制度(案)に対するご意見募集について | 石川県
性の多様性への県民理解の推進 | 石川県
1.LGBT条例案について
◆竹田良平 委員
初々しく、しっかりと声を出していきたいと思います。
3項目について質問をさせていただきます。
まず1点目は、LGBT条例案についてです。
本条例案について様々な御意見があると承知しており、今回質問するに当たり、県民、市民の声を集めるためにアンケートを実施しました。独りよがりにならず、多くの方の声を集めていけるようにしたいという意図を持って取り組みました。
アンケートの内容として、パブリックコメントや有識者会議で示された県の条例案を提示し、皆様の御意見を広く伺うものとしました。選択肢は「賛成」、「反対」、「その他」の3つをつくり、その理由についての自由記載欄も設けました。
先日、13日時点で756件の回答をいただきました。内訳は、賛成が410件、反対が195件、その他が151件です。回答者の年代は10代から90代までと幅広く、最も回答が多かったのは70代です。70代では、賛成106件、反対55件、その他は37件でした。賛成と反対の比率の差が最も大きいのは30代で、賛成40件、反対が10件です。最も賛否が拮抗しているのは80代で、賛成が23件、反対が20件であります。10代から90代までの全年代において、賛成票は反対票よりも多くなっています。
「賛成」で最も多い意見は、「生まれ持った個性や人権を尊重し、多様性を認めるべき」という考え方です。これは、賛成の方の過半数を占めます。その次に多かった意見は、「海外も含めた時代の流れ」という御意見でした。
この結果について、県としてどう捉えるか、お聞きをしたいと思います。
◎馳浩 知事
竹田委員におかれましては、この性の多様性に関する問題に真摯にかつ積極的に取り組んでいただき、敬意を表し、また感謝申し上げたいと思います。
性の多様性に関する問題は、全ての県民がその実情を理解し、人権を尊重する姿勢を持つべき極めて重要な課題です。県民一人一人がこのことを社会全体の課題として認識し、理解を深めていただきたいと考えています。
今回のアンケートの結果、全ての年代において賛成が反対よりも多かったということ、また多くの方が多様性を認めることの大切さを述べておられることについて、率直にありがたいと思います。
一方、反対意見も多くあり、改めてこの問題について、人により様々な御意見や考え方があるということを感じています。
◆竹田良平 委員
今回のアンケートについては、男性と女性で回答を見ることもできます。男性は409件の回答のうち、賛成が190件、反対が139件、残りがその他です。女性は336件の回答で、賛成が215件、反対が53件、残りがその他となります。結果を見ると、女性のほうに賛成の方が多いという結果になっています。
先ほど賛成意見について触れましたが、反対意見についても触れていきます。「反対」で最も多い御意見は、「トイレやお風呂などでの女性の性被害」を心配するものです。条例に賛成やその他としている方でも、性被害の心配をする声があります。それらを足して意見の総数で見ると74件となり、これは先ほどの多様性を認める意見に次いで2番目に多い考え方となります。
この点については、現在の条例案の中では特に明記がないように見受けられますが、性被害への不安の払拭についてどのように考えていくのか、お聞きをします。
◎馳浩 知事
理念法である国の理解増進法と同じく、今回制定を目指している県条例は理念条例であり、個々の県民の行動を制限したり、新たな権利を付与するものではありません。女性用のトイレや風呂のような女性用の施設等の利用について、現状の在り方を変えるものではありません。
このため、女性用トイレや女湯に身体が男性の方が、自分は女性だと称して入るといったことは公衆浴場法第3条に触れる可能性があり、また建造物侵入罪や公然わいせつ罪などの犯罪になり得るほか、石川県迷惑行為等防止条例の規定に違反するおそれがあり、許されるものではありません。
こうした不安を解消できるように、引き続きしっかりと説明、また啓発に努めてまいりたいと思います。
◆竹田良平 委員
以前に先ほど触れられたような事件も、県外ですけれどもあったかと思いますし、こういった心配する声に対しては丁寧な説明が必要になってくるのかと思っております。
また、「反対」で次に多かった御意見は、「日本では常に人権が保障されている」という意見、「伝統やこれまでの考えが崩れる」という御意見で、同様な考え方は36件ありました。また次いで、「少数派の声を尊重し過ぎている」というお声や、「少子化に結びつく」という御意見、「国のやり方に不満」というお声が、それぞれ10件から20件程度ございました。
反対意見については切り捨てていくのではなく、考慮して考えていく必要があるというふうに捉えております。こうした声についてどう捉えていくのか、お聞きいたします。
◎馳浩 知事
法律や県条例に対し、様々な御意見や考え方があると思います。何よりも大事なことは、この性の多様性に関する問題は人権に関わる極めて重要な課題だということです。たとえ1人であろうとも、この問題で差別を受けるような環境をつくってはならないと考えています。
子供から高齢者に至るまで、性的指向やジェンダーアイデンティティにかかわらず、誰もが自分らしく生き生きと生活し、県民一人一人が真の豊かさを実感できる幸福度日本一の石川県を実現するためにも、理解増進のための県条例の制定が必要であると考えており、引き続き、条例化に向けて精いっぱい取り組んでまいりたいと存じます。
◆竹田良平 委員
今回は、「賛成」、「反対」のほかに「その他」という選択肢も設けました。「その他」を選んだ方で最も多かった御意見は、「LGBTの言葉それ自体やLGBTの実態、課題などがよく分からない」という御意見で、これは38件ありました。また、反対を選んだ方の中でも同様の意見は複数出ており、今回のアンケートの回答者以外の方でも同様のお考えの方はおられると推測されます。
理解促進のための取組が非常に重要かと捉えますが、今後の進め方についてお聞きをします。
◎馳浩 知事
県民一人一人がこの問題について理解を深めていただくことが大事です。県では、これまでも県民の皆様に対し、「性の多様性」をテーマとしたタウンミーティングや加賀地区、能登地区においてセミナーを開催し、普及啓発に取り組んでまいりました。来月も金沢市内でセミナーの開催を予定しております。
より幅広い層の皆様への理解促進を図るため、県立図書館や県庁舎等においてパネル展を行っております。また、秋のレインボーパレードに対して、私も参加しましたし、私の娘も昨年に引き続きボランティアカメラマンとして参加いたしました。
今後、さらに新聞などによる広報やSNSなども積極的に活用し、効果的な普及啓発を図ってまいりたいと存じます。
◆竹田良平 委員
また、「賛成」、「反対」、「その他」を選んだ方で共通して「学校教育への不安」の声があり、総数としては10件上がっています。これは、子供が自分の性について悩むきっかけになってしまうのではないかという考えや、学校現場の負担を懸念するものです。
条例案を読むと、「学校の設置者は、児童等に対し、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解を深めるため、教育環境に関する相談体制の整備に努める」とあります。この学校教育についてはどう考えているのか、お聞きします。
◎馳浩 知事
思春期の子供たちにおいては、自分は同性が好きかもしれないし、違うかもしれないなどといった自分の性的指向やジェンダーアイデンティティに関する揺らぎが生じる場合があると言われております。性の問題に悩む子供たちに対しては、個別に相談に応ずるなど、きめ細かな対応が必要とされています。
現在も学校現場においては、LGBTQの児童生徒へのきめ細かな対応について記した文部科学省作成のガイドラインを教員向けに配付するとともに、高校生に対しては人権教育副読本を用いてLGBTQの理解促進に取り組んでいると承知しております。
LGBTQの理解促進に当たっては、子供たちの心身の発達段階に応じて適切に行われることが重要であり、心身の発達に応じて対応するという法律の規定を踏まえつつ、不安の解消に向けて、より一層の啓発に努めてまいりたいと存じます。
◆竹田良平 委員
教員の方も含めまして、現場の生の声の収集をお願いしていきたいと考えております。
2.パートナーシップ宣誓制度について
次に、パートナーシップ宣誓制度についてです。
条例案に賛成した方のうち、条例案に明記されているパートナーシップ宣誓制度についてを特に評価する声も複数ありました。同様の内容については、直近のかほく市はじめ県内5市町で進められている現状ですが、条例の中に本制度を設置することの意義についてもお聞きをいたします。
◎馳浩 知事
パートナーシップ宣誓制度は、人の生き方に関わる大変重要な施策です。県内においては、現在5つの市町が独自にこの制度を設けており、当事者にとって、住む地域によって対応が異なる状況にあります。
こうした中、県のパートナーシップ宣誓制度を設けることにより、市町に対する県としての方針をしっかりと示したいと考えています。具体的には、現在既に制度を設けている市町との間では、お互いの制度を相互に適用できるようにすることに加え、現在、制度を設けていない市町においては、県の制度を準用したり、県の制度に倣った制度をつくっていただくことにより、石川県全体として人生を共にしたい人と安心して生活できる環境づくりを進めていきたいと考えています。
そして、性の多様性の理解増進と、このパートナーシップ宣誓制度を条例にセットで盛り込むことにより、この課題に取り組む県の強い姿勢を示したいと考えています。
◆竹田良平 委員
アンケートにつきましては、現在も少しずつですが返答があります。繰り返しとなりますが、先日時点での内訳は、賛成が410件、反対が195件、その他が151件です。
性被害の不安払拭や、LGBTに関する理解を深めることが重要であり、そのことによって県民の理解もさらに進むのではないかと考えますが、今後の条例案の進め方について、最後にお聞きをしたいと思います。
◎馳浩 知事
県民一人一人が性の多様性に関する問題を社会全体の課題として認識し、理解を深めていただくためには、法律だけでなく、石川県としての条例が必要と考えています。
条例については、県議会の皆様の大多数の賛同を得られるよう、今後も県民の皆様に対するさらなる普及啓発にしっかりと取り組み、来年の当初議会での提案を目指してまいりたいと思います。
そして、国における理解増進法の運用指針の策定については、いまだその方向性が明らかになっておらず、速やかに検討作業を進めていただきたいと考えており、私からも引き続き与党関係者に働きかけてまいりたいと思います。
◆竹田良平 委員
県民の声をしっかり受けながら取り組んでいただきたいと考えております。
(以下略)
資料など
法令など
性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進|政策統括官(共生・共助担当) - 内閣府
石川県
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竹田良平議員公式
県議会議員 衆議院二区 竹田 良平 | 自民党石川県連
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アンケート掲載ページ【2024.09】県政報告通信 | 竹田良平
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