【LGBT理解増進法の台東区での教育現場における扱いについて】松村ともなり台東区議R5年9月定例会
【LGBT理解増進法の台東区での教育現場における扱いについて】質問してくださった、松村ともなり議員に感謝いたします。
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※台東区議会会議録から、私的に抜粋を行ったものであり、文中見出しや太字なども筆者によるものです。
LGBT理解増進法の台東区での教育現場における扱いについて
◆13番(松村智成 さん) 自由民主党の松村智成です。一般質問の機会をいただきました会派の皆様に感謝を申し上げます。責任政党、自民党の一員として、台東区政を力強く前に進めるとともに、区民の皆様の命と暮らしを守る政治に取り組む所存です。
それでは、質問に入らせていただきます。今回は大きく2問伺います。ぜひとも前向きなご答弁、よろしくお願いいたします。
(※一問目省略)
LGBT理解増進法について
続きまして、2問目に入らせていただきます。
性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律、通称LGBT理解増進法の台東区での教育現場における扱いについて伺います。
令和5年6月23日に、LGBT理解増進法が公布され、同日施行されました。本法制定の趣旨を要約しますと、性的指向及びジェンダーアイデンティティーを理由とする不当な差別はあってはならない。多様性を受け入れる精神を涵養し、多様性に寛容な社会の実現に資するため、いわゆる理念法としてこの法律が制定されました。この法律への地方公共団体の役割として、学術研究の進捗状況を踏まえつつ、学校、地域、家庭、職域、その他の様々な場を通じて、国民が性的指向及びジェンダーアイデンティティーの多様性に関する理解を深めることができるよう、必要な施策を講ずるよう努めるものとする。学校の設置者は、家庭及び地域住民、その他の関係者の協力を得つつ、教育または啓発、教育環境の整備、相談の機会の確保などを行い、児童等の理解の増進、相談体制の整備、その他の必要な措置を講ずるとされています。
私は、LGBT等性的マイノリティーの方々に対する不当な偏見や差別は絶対にあってはならないと考えております。しかしながら、同時にLGBT理解増進法によって、区民の不安が増すような事態は避けるべきとも考えます。そもそもLGBTについて、一般の方がどこまで本当に理解できているものなのでしょうか。LGBTQQIAAPPO2Sというのが正式名称だそうですが、LGBTの次のQはクエスチョンというふうに一般的に思っていましたら、正式にはクイアという、またよく分からない言葉が出てきます。クイアとは、性行動での分類や差別に対して批判し、LGBTを個性的ですばらしいと捉える思想の持ち主のことをいうそうです。性的少数者に対し、理解するということはとても大切ではありますが、まずもって概念が違っており、そして願っている方向も違い、さらに理解するということが本当に難しいことだと思っております。
こういった概念はあるものの、日本は古来より多様性に富み、それを許容してきた歴史があります。例えば、明治維新前の日本は、男女の隔たりなく入浴を行うなどの許容が一般的でした。外国からの文化が入ることにより、日本は独自の文化を残しつつ、多様性として受け入れてきたのも事実です。このように、外国からの概念が現代社会において広まることにより、日本人はきっとそれを受容してしまう国民性であり、その点において必要の可否を判断する時間さえ与えられない状況であったと私は考えております。といった個人的な複雑な思いはありますが、区民にとってはもっと身近な実生活に関心が向くというのが実情だと思います。
女性スペース(女性用浴女、女性用トイレ)について
法が決まる直前、令和5年6月15日の参議院内閣委員会において、女性や子供たちの安全安心を確保するため、下半身が男性の外形をした人が女性スペース等に侵入することを防ぐ社会規範・法規制は当然これからも堅持すべき社会秩序であり、安心できる女性用トイレや女性用浴場が今後も存続し続けることは死活的に重要であるというやり取りがあり、法律が施行された同日に、厚生労働省より公衆浴場や旅館業の施設の共同浴室における男女の取扱いについてという通達が出されました。その中で、体は男性、心は女性の者が女湯に入らないようにする必要があるとしっかり書かれ、まずは公衆浴場における社会規範が堅持されることが確約されました。そして、女性用トイレについて、同委員会内で、女性用の施設などの利用の在り方を変えるようなものではない、戸籍上の性別ないし身体的な特徴によって判断される、この男女の性別に基づき施設が区分される、この秩序が設けられているわけであり、こうした合理的な男女という性別に基づく施設の利用の在り方を変えるようなものではない、女性用トイレをなくして何かに切り替えるということではない、マジョリティーの女性の権利が侵されるのではないかとか、安全が侵害されるのではないかと心配が出ておりますが、これは絶対に許してはならないことであるといった答弁が本法律の発案者からされ、女性用トイレの扱いについても社会規範が堅持されることとなりました。
思春期の子供への性に関する教育について
こういった身近な事案についてご心配されている皆様から様々なお声、私のところにも多く届いております。先ほどご紹介した同委員会の質疑内で、子供が親の知らないままに性自認に食い違いがあると導かれ、やがて思春期ブロッカー、ホルモン治療、そして乳房切除や性別適合手術に進んでしまう危険性がある。先進国では、この教育が始まって以来、男だったのではないかという思春期の女子が格段に増えたという報告もあります。思春期は正常なる異常状態です。家庭での理解を得つつ、それこそ慎重にしていかなければならない、後で後悔しても始まらないということですと、問題を提起してこられた女性スペースを守る会や当事者団体など4団体の調整役をなされた方が参考人としてお話しされておりました。この思春期は正常なる異常状態というのはとても重要なポイントで、正常な成長の過程ではあるが、精神的に不安定になりがちで、様々な葛藤や悩みの中で、性も含めた自我の形成を図っていく、非常に敏感で繊細な時期であるということを表しております。だからこそ、この時期における性に関する教育については、誤解を招いたり、誘導的にならないような細心の注意が求められるものであり、その部分がおろそかになりつつあるのではと大変私は危惧しております。
埼玉県教育委員会は、「たくさんの色 ふれ合おう。」という小学校高学年用のリーフレットを作成しております。その中では、自分が思っている性別も人それぞれに違うと説明し、自分が実感している性別や生きていきたい性別を表す「こころの性」、生まれたときの性である「からだの性」、好きになる相手の性別を表す「好きになる性」、服装やしぐさ、言葉遣いなど自分が表現したい性別を意味する「表現する性」の4つがあることを紹介しています。ほとんどの児童の体の性は、男と女のどちらかであり、性的指向の認識もないのに、このような教材で教えられれば悩むことでしょう。男性か女性かではっきり分かれるものではないなどと教えられても、児童はなかなか理解できないばかりか、混乱する一方です。「――」
学校教育で大事なのは、人は皆違って当たり前であり、この違いを認め、誰に対してもお互いを思いやる心を育むことであると考えます。思春期を迎え、心も体も変化していく時期に、性の多様性ばかりに重点を置き、男性や女性の特性を軽視するような教育を行っては、児童が混乱するばかりです。LGBTに特化した教育ではなく、誰でもお互いを理解し、思いやる心の涵養こそが必要と考えます。
令和6年度から使用される保健の教科書では、検定に合格した6社全部の教科書で性の多様性を取り上げました。「――」子供を混乱させるのではなく、思春期の子供が自己を肯定できるような教育こそが必要なのです。
民間の調査によると、日本には約3から10%の性的マイノリティーに属する人がいると言われておりますが、率直に申し上げますと、私の周辺の方々から様々聞いて感じている様子と調査結果に大きな隔たりがあると私は感じております。幾つかの調査結果について詳細を調べてみると、調査方法が不明瞭であったり、調査項目が誘導的であったり、ランダムに抽出した母数への調査ではなく、インターネットで不特定多数の人に調査への回答を求めるものであったり、実情を正しく反映しているかという点において疑義があると感じています。この数字の算出方法自体が不明確である中で、そもそもこの理念法のゴールは一体どこにあるのでしょう。
児童・生徒における性的少数者の定義は一体何なのでしょう。日に日に気分が変わる子供に対し、大人がジェンダーギャップという勝手な枠組みを当て込むこと、そのものが疑問であります。性に違和感がある子供への理解を優先するがあまり、男らしさ、女らしさといった特性とも言えるものがなくなってしまうのではないかと感じています。男らしさ、女らしさという考え方自体については、ジェンダーにおけるアンコンシャス・バイアス、つまり誘導を招くという意見があることは承知しておりますが、生物学的に男女それぞれの特性があるということは事実であり、重要なのは、その特性差が不合理な差別につながらないようにすることです。その生物学的に自然である男らしさ、女らしさというよりも、ジェンダーギャップという特殊な状況への理解を優先させることに違和感を感じますし、子供たちに対し性の多様性に関して教育することで、逆に子供たちに混乱を招いているのではないかと大変危惧しております。将来における性の在り方について考えたときに、今の方向性が過剰であり、世の中の性を多様性に対してどこまで寛容にしていく必要があるのだろうかとも考えます。
某自治体の一部学校において、同性での性行為を教える授業があった問題について
とある自治体の一部の学校において、教員ではない地域の人とやらによる同性での性行為を教えるという、とても行き過ぎた授業が行われ、大きな問題となりました。現在、小中学校の性教育において、男女の性行為、すなわち具体的な性交の方法については取り扱わないように学習指導要領で規定しております。今後、本法律によって、LGBTに対する社会の理解が進んだとしても、学校教育においては性的マイノリティーの方々の性行為や性的描写について具体的に学校で教育する趣旨ではないと考えますがいかがでしょうか。LGBT理解増進法に対し、台東区教育委員会は具体的にどのようにお考えなのか伺います。
以上2問が私からの一般質問となります。ご清聴誠にありがとうございました。(拍手)
担当当局(教育長)答弁
◎教育長(佐藤徳久 さん) 私から、ご質問の第2、LGBT理解増進法の台東区での教育現場における扱いについてのご質問にお答えさせていただきます。
性に関する指導につきましては、現行の学習指導要領において、受精、妊娠を取り扱い、妊娠に至る経過については取り扱わないものとされており、本区では、このことを踏まえて対応しております。その指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ることなどに配慮し、計画性を持って実施しているところでございます。
今後も引き続き児童・生徒が性に関して正しく理解するとともに、適切に行動することができるよう、学校教育活動全体を通じて指導してまいります。
また、本法律につきましては、全ての国民が、その性的指向またはジェンダーアイデンティティーにかかわらず、基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念に基づき、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することが目的であると認識しております。
教育委員会といたしましては、今後も学習指導要領に基づいた適正な指導を続けてまいります。
私からは以上です。
※この間に(1)「松村智成議員の発言は差別的ではなく謝罪の必要はない、性自認や性的指向に関する表明をしない」松村議員を応援する署名と、(2)「松村智成議員の発言が差別的であるとして、謝罪および取り消しを求める」署名が行われ、それぞれ提出された。
※そして最終的に、発言の一部を謝罪および取り消しが行われた。
令和 5年第3回定例会-10月26日-03号
○議長(髙森喜美子 さん) 初めに、松村智成さんから、9月20日の一般質問における発言について、謝罪及び取り消しを行いたいとの申出がありましたので、発言を許可いたします。
13番松村智成さん。
(13番松村智成さん登壇)
◆13番(松村智成 さん) 自由民主党の松村智成です。貴重なお時間をお借りして、一言申し上げます。
初めに、9月20日の私の一般質問において、議員として配慮に欠ける表現があり、それにより傷ついた皆様に対しまして、この場をお借りしておわび申し上げます。
次の2点につきまして、発言の取り消しを申し出させていただきます。
「――」と発言した部分及び、「――」と発言した部分です。
誠に申し訳ございませんでした。
○議長(髙森喜美子 さん) おはかりいたします。
本件については、申出のとおり発言の取り消しを許可いたしたいと思います。これにご異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(髙森喜美子 さん) ご異議ないと認めます。よって、松村智成さんからの発言取り消しの申出を許可することに決定いたしました。
資料等
署名、記事など
【署名サイトVoice】台東区議会・松村智成議員に対し、発言の撤回・謝罪しないこと 台東区教育委員会に対し、性自認や性的指向に関する表明をしないこと 以上二点を求めます - オンライン署名&クラウドファンディング | Voice -日本の署名活動を変えるサイト
最終的に直筆の署名3000筆以上、ネット署名は15745筆。4000人近くのコメントが集まった。
1万名が結束!松村智成議員の見解、SNSで支持が爆発的に拡大中。 - 一般社団法人Social Goodのプレスリリース (value-press.com)
オンライン署名 · 台東区議会の松村智成議員はLGBTQ+に関する誤った認識を改め、撤回・謝罪をしてください。 - 日本 · Change.org
わずか数時間で14000筆以上増加したことで話題になった(にじいろジャンプ)。最終的に16922筆。コメント38人。
日本政策研究センター情報誌「明日への選択」令和6年4月号「なぜLGBT・性教育について議会で質問したのか」松村智成(台東区議会議員・自民党)
・子供達のための議会質問は賛否両論を巻き起こしたが、賛成署名四千のコメントには勇気づけられた。購入申し込みフォーム
法令など
性的指向・ジェンダーアイデンティティ理解増進|政策統括官(共生・共助担当) - 内閣府 (cao.go.jp)
公衆浴場や旅館業の施設の共同浴室における男女の取扱いについて(PDF)
旅館業のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説):文部科学省 (mext.go.jp)
台東区
台東区議会ホームページ (taito.lg.jp)
令和 5年第3回定例会-09月20日-02号 (gijiroku.com)
令和 5年第3回定例会-10月26日-03号 (gijiroku.com)
松村ともなり議員公式
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