【映画レビュー】生涯のベスト『ゴッドファーザー』
The Godfather(1972)
これまで何千という映画を観てきましたが、何十回も繰り返し見たものはそんなに多くありません。
そのひとつがこの『ゴッドファーザー』です。
すでに語り尽くされてきた問答無用、不朽の名作ですが、隅々まで知っているのに毎回食い入るように観てしまうこの映画の魅力、いや魔力を備忘録に残しておこうと思います。
映画『ゴッドファーザー』は、マフィアのドン、ヴィト・コルレオーネを中心に描かれる壮大なドラマです。物語は1940年代のニューヨークを舞台に、コルレオーネ・ファミリーがいかにしてその権力を維持し、拡大していくのかを描いています。ヴィトの三男マイケルは、当初は家業から距離を置いていましたが、家族が襲撃される事件をきっかけに否応なく組織の中核へと引き込まれていきます。
見どころのひとつは、家族の絆や裏切り、権力闘争が緻密に描かれる中で、マイケルがどのように変貌していくのかという人物描写です。アル・パチーノ演じるマイケルが、冷徹なドンへと成長する過程は圧巻です。また、フランシス・フォード・コッポラ監督の手腕により、重厚な雰囲気とともに緊張感溢れるシーンの連続で、とりわけ洗礼式と暗殺シーンが交錯するクライマックスは、映画史に残る名シーンです。他にも挙げればきりがありませんが。
『ゴッドファーザー』が他の追随を許さない特別な映画である理由は、単なる犯罪映画に留まらず、普遍的で秀逸な人間ドラマ、家族のドラマだからです。ストーリーに深みがあり、何度見ても新たな発見があります。
決して色褪せることがない、完璧な傑作です。
ちなみに、続編の『ゴッドファーザーpart.Ⅱ』は対の作品であり、二つで一つの映画です。合計で6時間半位ありますが、私はぶっ通しで観ています。
part.Ⅲはおまけ?個人的にはⅡで完結しています。
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